第二次中東戦争(スエズ動乱)

会議監督仮谷海人(神戸大学法学部3年、神戸研究会老メン)
議題第二次中東戦争(スエズ動乱) ~1956年10月30日に開催された、第749回および第750回安全保障理事会会合で検討された問題~
(Suez Crisis ~Question considered by the Security Council at its 749th and 750th meetings, held on 30 October 1956~
)
議場

第一回国際連合緊急特別総会
(First emergency special session of the United Nations General Assembly)

使用言語公式/非公式/文書=日/日/日
設定日時1956年11月1日~6日
募集人数31人
フロント

会議監督仮谷海人、神戸研究会老メン、神戸大学法学部3年
議長:工藤竜暉、駒場研究会老メン、東京大学法学部3年
秘書官:小池さくら、九州支部老メン、立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部3年
秘書官:渡瑞貴、九州支部超神メン、立命館大学大学院法学研究科修士2年
報道官:江澤徳明、日吉研究会老メン、慶應義塾大学商学部3年
報道官:久保田夢、神戸研究会老メン、大阪大学外国語学部3年

こんにちは、会議監督を務める神戸研究会老メンの仮谷海人と申します。会議監督挨拶ということで、会議を作ろうと思った理由をお話ししていきます。
 さて、皆さんにとって模擬国連は楽しいものでしょうか?模擬国連のどこが楽しいでしょうか?
 多くの人は模擬国連をしていて楽しい瞬間よりつらい・しんどい瞬間の方が多いと言います。模擬の楽しさをぼんやりとしか感じられていない人の方が多く、模擬を純粋に楽しめている人は少ないように思います。たしかに、模擬は時にはしんどいものです。準備は大変だし、時間を無限に奪っていくし、会議だって難しいし、大抵の場合当初の思惑通りに完全にいくわけではないし、模擬国連って大変で難しいものです。
 でも、模擬にしかない楽しさがあるはずです。様々な犠牲を払う価値のある、その犠牲の先にある楽しさがあるはずです。また、どうせ模擬をするなら楽しまないと損でしょう。
 そこで、この会議では二つの楽しさの要素、すなわち「駆け引き」と「自己スタイルの確立」に着目します。
 まず「駆け引き」とは、各国大使が準備してきた戦略同士がぶつかったときに、議場全体を意識したうえでどのようにその戦略を修正するのかといったプロセスのことです。独りよがりの会議行動ではなく、相手を意識した戦略的な会議行動、議場を俯瞰して行う交渉は、模擬国連固有の魅力の一つでしょう。「駆け引き」はそう簡単にできるものではないですが、この会議を通して参加者の皆さんには「駆け引き」ができる大使に近づいてもらったり、今できている「駆け引き」に磨きをかけてもらったりして、模擬の楽しさに触れてほしいと考えています。
 そして、「自己スタイルの確立」とは、会議準備・行動の仕方に関して、前の会議の反省を踏まえ、次の会議で自分なりの工夫を繰り返して成長していくことを意味しています。試行錯誤をしている過程、自身の成長を感じた瞬間、自分の得意なスタイルで議場で活躍できているときは、誰しも楽しさを感じるのではないでしょうか。参加者の皆さんにはこの会議を通じ、いかに上手く成長して自己スタイルを確立していくのかを考えたり、あるいは自己スタイルがすでにある方にはそれに磨きをかけ、今まで積み上げた自分のやり方を披露する機会にしていただければと思います。

 長々と書いてしまいましたが、結局言いたいのは、この会議を通して模擬をもっと強くなりたい人、最近成長が感じられず伸び悩んでいる人、なぜ模擬をしているのかがだんだん分らなくなり悩んでいる人、どうせやるなら楽しみたくて、そのための努力を惜しまないという人に、模擬の楽しさを知ってほしいということです。そんなあなたの参加を心からお待ちしています。

「自燈明・法燈明」

自燈明・法燈明という6文字は仏教の用語で、「自燈明」とは自分で考えて自分で決めよ、他人の燈(あかり)に従うのではなく自らが燈になれという意味で、「法燈明」とは、真理である法を拠り所として考えるように、という意味です。
 さて、皆さんはどれくらい模擬国連を楽しんでいるでしょうか?この会議では、参加者の皆さんに模擬国連の楽しさを発見・再発見してほしいと考えています。特に、模擬国連のなかでの戦略のぶつかり合いとその戦略の修正を繰り返す「駆け引き」と、自分なりの模擬国連の方法論を会議ごとに確立して成長していく「自己スタイルの確立」の二つの楽しさの要素に注目して、この二つを参加者の皆さんにしていただくなかで模擬国連の楽しさを味わってほしいと思っています。
 「駆け引き」でも「自己スタイルの確立」でも重要になるのは、自分自身で考えて決断を下すということです。議場での判断、戦略の変更は担当国の大使である自分にしかできませんし、自分なりの模擬国連の方法論は自分にしっくりくるものを自らの力で導き出すほかありません。つまり、自分自身が燈になる必要があります。そしてその燈をつけるには、考えのもとにできる考え方や、その過程を導き出すための道筋といった拠り所が必要になるでしょう。
 この会議では、デリの皆さんが自分自身に燈をともす、すなわち自燈明のきっかけを掴んでほしい、そしてそのためにフロントは燈をつけるための拠り所となる考え、すなわち法燈明を提供したり、参加者の皆さんと考えたりしていきたい、という思いをこめてこのコンセプトにしました。

 本題に入る前に一点、注意点がございます。弊会議は、軍事作戦やクライシス自体を目的に作成した会議ではありません。後述のように、戦略の意識的な修正を通じた「駆け引き」、また、交渉を繰り返すなかでの「自己スタイルの確立」を目的に、スエズ動乱を議題としています。したがって、軍事作戦やクライシス自体に興味がある方が弊会議にアプライをしても、お望みをかなえることはできません。その点をあらかじめご留意ください。

議題・議場解説
 「スエズ動乱」は、1956年10月末から発生したスエズ動乱(第二次中東戦争)への対応を話し合う会議です。スエズ運河に関しての、主に英仏両国とエジプトとの間の利害対立がついに武力を伴う紛争に発展し、平和のための結集決議に基づき、初めての国連緊急特別総会(ESS)が開かれます。冷戦期の東西対立、アジア・アフリカ諸国の台頭、脱植民地化、アラブナショナリズムの高揚などを背景に、中東という地政学的に重要な地域をめぐって、各国の思惑が議場内外で交錯します。
 スエズ動乱の影響はとても大きく、かつて世界に絶大な影響力を誇った大国イギリスやフランスの衰退が決定的なものとなり、英仏を中心とする欧州列強による国際秩序は完全な終焉を迎えました。それと同時に、新たな国際秩序を担う超大国としてアメリカとソ連の地位が確固たるものとなりました。一方で、東西両陣営に属さないアジア・アフリカ諸国の台頭が顕在化しました。このスエズ動乱を境に、アメリカを筆頭とする西側諸国、ソ連を筆頭とする東側諸国、両者に属さないアジア・アフリカ諸国という冷戦期の国際秩序が形成され、冷戦が激化していきます。加えて、PKOが誕生した会議ということで、国連の歴史においてもこの会議はとても重要なものとされています。
 また、本会議はクライシス会議です。クライシス会議とは、会議が進む中で実際に日付も変化し、日付に合わせて、会議作成陣や参加者によるコマンドに基づいた議場外の情勢が変化していく会議です。例えば、経済的な圧力をかけたり、軍事作戦を開始したりと、様々な事態が議場外で発生します。このように刻々と変化する情勢への臨機応変な対応が参加者の皆様には求められます。

議題設定理由
 この議題を選んだ理由は、特に以下で述べる2つの観点において、コンセプトとの親和性が非常に高いと考えたからです。
 まず、「駆け引き」を意識的に実行しやすいという点です。この会議はクライシス会議であるため、刻々と変化する議場外の事態やそれをうけた議場の雰囲気、他国の戦略の変更等に合わせて自らの戦略を修正していく必要があり、普段の会議と比べて意図的に戦略を再考する機会が増えます。
 次に、議論よりも交渉や戦略が重視される議題である点です。数ある情勢系の会議のなかでもこの「スエズ動乱」は、国際法などに関する議論はメインではなく、より駆け引きや戦略に集中できます。議題の性質上必要になってくるコーカス(アンモデ)での交渉を中心とした会議行動を通して、参加者は大小様々な「駆け引き」を体験することができます。また、交渉を繰り返すなかで自分の得意なスタイルを発見し、「自己スタイルの確立」を図ることになります。以上のように、参加者の皆さんにはこの議題を通して、コンセプトでも解説した「駆け引き」と「自己スタイルの確立」をしてもらいたいと思います。

論点解説
 この論点では、エジプト・イスラエル・イギリス・フランスの間で発生しているスエズ動乱に関して、国際社会としてどのように対応するのかについて話し合います。英仏イスラエルの行動に正当性はあるのか、どのようにして停戦を実現するのか、スエズ運河周辺の情勢をどのように安定化するのか、それらの実効性をどう担保するのかなどの議論が行われます。
 この論点の重要なポイントは、この論点を通して形成される会議の趨勢が今後の国際社会に多大な影響を与えるという点です。本会議では、当時の国際情勢においてどの国が、どのような決議を出すことが、どのような政治的な意味を持ち、その後の国際情勢にどのような影響を与えるのか、といったことを意識する必要があり、そのプロセスを通して参加者の皆さんはたくさんの「駆け引き」を体感することになります。
 この会議では、フロントからあえて細かい論点を設定することはいたしません。その理由は、まず、この会議はクライシス会議であり、当時の時代背景や国際情勢を理解したうえで、会議と並行して実際に変動するクライシスに対応していくことが重要であるからです。また、広めの論点を設定しておくことで、参加者によるより自由な戦略立てが可能になり、この会議で一貫して強調している「駆け引き」を参加者の皆さんがより実現しやすくなると考えているからです。

国割(予定)

・当事国
イギリス*
イスラエル
エジプト*
フランス

・米ソ
アメリカ*
ソ連*

・ラ米
エクアドル
コロンビア

・東側
チェコスロバキア
ハンガリー
ブルガリア

・AA諸国
インド
インドネシア
エチオピア
パキスタン
ビルマ
ユーゴスラビア

・アラブ諸国
イラク
シリア
ヨルダン

・UNEF推進国
カナダ
SG
スウェーデン

・旧宗主国・英連邦
オーストラリア
南アフリカ
ベルギー
ポルトガル

史実の会議行動による分類とおすすめの人

以下紹介するのはあくまでも史実の動きであり、参加者の皆さんが必ずしもそのような動きをする必要があるわけではありません。ぜひ、自身のリサーチに基づいた自分なりの担当国を模擬してもらいたいと考えています。

当事国

・紹介
攻撃された側のエジプト、攻撃した側のイスラエルと英仏、双方がESSの議論を通じて自国の正当化を行うと同時に、スエズ地域で軍事行動を展開しました。

・おすすめの人
議場内だけでなく現地での行動も積極的に起こしていくなかで、様々な意思決定が求められます。ある程度「駆け引き」に自信があり、より多くの交渉材料を用いて交渉してみたい人や、がっつりとした意思決定を経験したい人におすすめです。

米ソ

・紹介
英仏イスラエルの侵略を非難して、積極的に議場内外で各国と協力し働きかけを行いました。

・おすすめの人
大国として、それぞれの求める世界秩序に向けての道のりのなかにこの会議を位置づけて議場内外で行動を起こしていく必要があります。腕に自信のある人で、大国として議場全体を動かし、多くの「駆け引き」を楽しみたい人におすすめです。

ラ米

・紹介
侵略に反対の立場を取りますが、同時にアメリカやイスラエルへの一定の配慮を見せました。

・おすすめの人
二国間関係などに配慮しながら、自国なりの交渉材料を生かした臨機応変な会議行動が求められます。この会議で特にスタンス形成の段階からしっかりと成長し、「駆け引き」をより足を踏み入れたい人におすすめです。

東側

・紹介
ソ連を中心に、侵略を非難すると同時に、議場外でも積極的に働きかけを行いました。当時裏で発生していたハンガリー動乱やその背景にも注意する必要があります。

・おすすめの人
ソ連に追随するなかでソ連の右腕として活躍することや、時に陣営内でも微妙に存在する考えの差異なども意識した会議行動が求められます。「駆け引き」を基本的な部分からしっかりと感じたい人におすすめです。

AA諸国

・紹介
侵略を強く非難し、冷戦構造の中で台頭し始めたAA諸国としてのプレゼンスを発揮しました。

・おすすめの人
今後の国際社会やグループ内での理想的な立ち位置を特にしっかりと考える必要があります。グループ内も含めた「駆け引き」や、丁寧なスタンス形成を体験したい人におすすめです。

アラブ諸国

・紹介
議場のなかでもエジプトと同じアラブの国々として、徹底的にイスラエル・英仏を強く非難し続けました。

・おすすめの人
エジプトを擁護するために特に強く非難し続け、アラブのために行動していくことが求められます。歴史的背景等にも目を向けて、冷戦期の当時に中東が持つ意味にも目を向けた力強い「駆け引き」を体験したい人におすすめです。

UNEF推進国

・紹介
英仏以をただ非難するだけでなく、具体的な解決に向けて積極的に動きを起こしました。その動きの一つとして国連緊急軍(UNEF)の設立に貢献しました。

・おすすめの人
英仏や大国との関係にも配慮したうえで、議場でのバランス感覚と押すときの力強さが求められます。ただの対立だけでなく、様々な国々との調整などを含む少し難易度の高い「駆け引き」をしたい人におすすめです。

旧宗主国・英連邦

・紹介
英仏以を非難するのではなく、彼らを擁護する立場や曖昧な態度をとり、比較的英仏に有利になるよう働きかけました。

・おすすめの人
自国のスタンスの背景をよく理解したうえで、ギリギリを攻める味のある会議行動が求められます。精緻な国益設定に加え、多数派の国とは少し違う立場から議場で「駆け引き」をしたい人におすすめです。

応募方法について

 当会議は原則シングルデリでの応募とします。その理由は、コンセプトでも示した通り、この会議では参加者の皆さんに「”自分自身”で決断する」ことを通して「駆け引き」や「自己スタイルの確立」をしてほしいと考えているからです。

 しかし、上の一覧で*をつけている国々(アメリカ、ソ連、イギリス、エジプト)は、会議当日のクライシスの処理の忙しさなどの理由でペアデリで募集をします。ここでは「それぞれが準備段階・会議当日にどちらかに依存することなく、主体的に意思決定ができる力を持ち合わせている人」がペアデリをすることを想定しています。例えば、豊富な経験を積んだ老メン以上のペアや、チャレンジ精神旺盛な旧メン以上同士のペアなどです。応募の際にはその点にも注意してアプライ理由をお書きください。

※ペアデリでの応募が多い場合、人数の関係でシングルデリとして国割をする場合があります。その点を予めご了承ください。

会議の特徴

この会議の設計上の特徴は大きく2つあります。
 1つ目は、フロントの仮説に基づいた重厚なタスクとメンターです。フロントメンバーが決まってから、参加者の皆様に提供する「法燈明」となる模擬国連の方法論に関する仮説を作り上げるべく議論を繰り返して来ました。その仮説に加えて、丁寧に参加者のレベルを分類し、それぞれの参加者層の多くが持っているであろう課題やその課題の改善策を想定しています。
 タスクは、参加者の能力や課題に合わせたいくつかのタスクを用意しており、参加者の皆さんにタスクを書いてもらう際に何を考えてもらうことで、それぞれが持つ課題を乗り越えられるのかをしっかりと考慮したうえで、そのために丁寧な導線を引いています。
 メンターは、タスクを補完し参加者に「腑に落ちる」体験を与える機会として位置づけています。模擬国連において、ただ情報を集めるだけではなくその情報を自分自身で考えて組み立てることにより「腑に落とす」ことが重要であるという考えの下、参加者が無自覚に理解できていない部分や分かった気になっている部分が洗い出されるようなメンターになっています。
 例えば、本会議では会議準備開始前にこの会議での個人の課題の把握や目標の設定のためにタスクの設問やメンターが用意されています。このようなサポートが会議準備段階から会議後にまでしっかりと用意されています。
 以上のように、コンセプトに基づいて参加者が自分で考えて決断する「自燈明」を実現するためのタスクとメンター、それを支えるためにフロントが提供する模擬国連の方法論である「法燈明」を準備していることがこの会議の大きな特徴です。

 2つ目は、戦略を意識的に変更するための「インターバル」という要素です。本会議はクライシス会議のため、会議中に数時間に一度ゲームの中での日付(会合)が変更されます。本会議では、各会合の合間に休憩とは別に「インターバル」という一定の時間を設けています。この時間に参加者は議場の雰囲気や他国の様子、現地の情勢などの情報を整理し、次の会合で自国の勝ち筋に近づけるために「議場に合わせた戦略の変更」すなわち「駆け引き」を意識的に行うことになります。

求めるデリ像

模擬国連を楽しくやりたい、模擬国連にとても真摯に一生懸命に取り組んでいるのに成長が出来ず、何か大きな壁を感じている方にこの会議でその壁を打ち破ってほしいと考えています。例えば、リサーチは出来るのに議場では上手く動けない人、会議の中で受動的な動きをしてしまいがちな人、自分なりには良い準備をしたつもりなのに議場では活躍できない人などです。
 参加者の皆さまには、会議準備におけるフロントが作り上げた仮説やそれに基づくしっかりとしたタスク、意識化のためのメンターを通して自分自身の模擬国連を見つめなおし、自分でも気づいていなかったエラーを見つけてもらい、フロントと共に対処法を考えて改善していく過程をたどってもらいます。
 そしてこの会議を通して、アプライ時に感じていた「壁」を打ち破り、持ち前のリサーチ力を生かした緻密な会議行動や、自分から仕掛ける会議行動が可能になっていくきっかけを掴んでほしいと考えています。

 本会議では、アプライの際アプライフォームに、本会議独自のアプライ用ファイルを添付する必要があります。 
 ダウンロードはこちらから(ドキュメントに直接書き込むのではなく、必ずダウンロードしてください。)
  ※ペアデリを希望される方でも必ず一人一枚提出していただくようお願いします

トップへ戻る