領海幅員及び漁業範囲に関する問題

会議監督毒島俊樹(東京外国語大学国際社会学部3年・国立研究会老メン)
議題

領海幅員及び漁業範囲に関する問題
(Questions on the Breadth of the Territorial Sea and Fishery Limits)

議場
 第二次国際連合海洋法会議
(The Second United Nations Conference on the Law of the Sea)
使用言語公式/非公式/文書=日/日/日
設定日時1960年3月17日
募集人数35人~50人程度
フロント会議監督 毒島俊樹(東京外国語大学国際社会学部3年・国立研究会老メン)
副会議監督 中井結衣(東京外国語大学国際社会学部2年・国立研究会超神メン)
議長  木下岳(早稲田大学教育学部3年・早稲田研究会老メン)
秘書官 向後大翔(国際基督教大学教養学部4年・国立研究会神メン)
    坂本知陽(同志社大学経済学部4年・京都研究会神メン)
    廣田瑞生(上智大学総合グローバル学部3年・四ツ谷研究会老メン)
報道官 大海千尋(上智大学法学部2年・四ツ谷研究会旧メン)

会議監督 毒島: 皆様こんにちは。国立研究会老メンの毒島俊樹(ぶすじまとしき)です。 旧メン以上の方には、第二次国連海洋法会議という名前に聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか?昨年にもいくつかの研究会で実施されましたし、海洋法に関わる会議は割と頻繁に開催されている印象があります。  何度も海洋法の会議が実施されてきたことからもわかるとおり、この議題には人を魅了する何かがあるのではないかと思っています。実際、私も海洋法会議に魅了されたうちの一人だと思います。昨年の研究会会議で第二次国連海洋法会議の会議監督を担当していたため、この議題のフロントをするのはこれで2回目になりますが、以前作ったものよりもさらにパワーアップさせて、デリの皆様に楽しんでいただけるような会議にしたいと思っています。  皆様のご参加、お待ちしております!  

副会議監督 中井: 副会議監督を務めます、国立研究会超神メンの中井結衣(なかいゆい)です。 昨年はコロナで中止になってしまった関西大会が今年は開催できるようで、とても嬉しいです。このHPを読んでいる皆様もきっと同じように思っている方も多いでしょう。と同時に(新メンの皆さんは特にですが)「大会参加費高いなあ…」と思っている人も多いと思います。  せっかく決して安くないお金を払って関西大会に参加するのですから、是非皆様自身が「楽しい!」と思える会議を選んでください。そのためには、このHPに書いていることをしっかり読むなり、各会議のフロントに直接話を聞きに行くなりして自分のやりたいことと相談しつつ、よく考えてアプライする会議を決めてほしいと思います。  皆様にとってこの関西大会が実りあるものとなることを願っています。 

議長 木下:こんにちは!議長を務めます、早稲田研究会老メンの木下岳(きのしたがく)と申します。実は海洋法会議に関わるのは4回目なのですが、過去の海洋法会議で出会った現フロント陣に声をかけて頂き、こうして皆さまに海洋法会議を提供する立場に立てたことをうれしく思います。自分の模擬人生のターニングポイントは新メン時の関西大会の第三次国連海洋法会議なので、今度はフロントとして再び関西大会の海洋法会議に関われるのは感慨深いです。海洋法会議は対立軸がはっきりしていますが、その分歩み寄りの匙加減がかなり難しいです。故に多様な状況を勘案した戦略作りが問われますが、その経験は今後の模擬に必ず役にやつはずですし、それこそ海洋法が多くの人を魅了する理由だと思います。皆様が海洋法会議を楽しめるよう、議長として全力でサポートしますので、是非アプライしてください!

秘書官 向後:
皆様こんにちは。秘書官を務めます、国立研究会神メンの向後大翔(こうごひろと)と申します。
気がづけば神メンになり、年月の流れの速さを感じています。私が新メンの時に参加した関西大会は、私が模擬国連活動を続ける一つの原点となりました。
昨年はコロナ禍により、第20回大会が中止となりました。私自身、秘書官として参加する予定でしたので大変残念でした。今年の大会では昨年の分の想いも込めながら準備し、当日に臨みたいと思っています。
皆様が当会議に参加してよかったと感じていただけるよう、微力ながらサポートをし、そして私自身もまた新たなことを吸収できればと考えています。
皆様とお会いできますことを心待ちにしております。

秘書官 坂本:
皆様こんにちは!京都研究会神メンの坂本知陽(さかもとちはる)です。
気づいたら大学生活、模擬国連にフルコミットすることになっていて驚いています。
この会議の魅力については他のフロントが語り尽くしているので、私からは一点だけ。
常に「目標」を持ちそこにたどり着くために「なぜ」を考えて見てください。どういう目標で全国大会に参加するのか、どういう情報を集めたいのか、どんな会議行動をしたいのか。自分の「目標」や理想などを設定することにより、この会議で真にやりたいこと、やるべきことを見つけられると思います。
感じ方は人それぞれだと思いますが、3日間、レベルの高い人達と会議漬けというのはなかなかにしんどいと思います。時間もお金も体力も使うからこそ、振り返ったときに「あー参加してよかったな」と言えるよう、一緒に頑張りましょう。
それでは、皆様にお会いできますことを楽しみにしております。

秘書官 廣田:
皆様こんにちは!
秘書官を務めます、四ツ谷研究会老メンの廣田瑞生(ひろたみずき)と申します。
自分は新メンのころ、関西大会に出ました。振り返ってみると、3日間会議漬けで苦しかったと記憶しています。神戸まで出向いて、外にも出ず、ひたすらロジックを打ち合い、決議の細かい文言を考える。なかなかしんどかったです。
しかし、同時に良い経験にもなりました。議場には、全国から様々な模擬歴を持つ方が集まります。議事進行に貢献できるデリや、粘り強く反論するデリの姿を目にして、非常にいい刺激となりました。全国大会という性格がある以上、学べることや刺激になることはたくさんあると思います。海洋法の知識に限らず、もぎこっかーとしての何かしらの学びを得られるといいのではないかと思います。私は秘書官という立場から、皆様の学びを積極的にサポートしていきます。
皆様と議場で会えることを楽しみにしています!

報道官 大海:
こんにちは!四ツ谷研究会旧メンの大海千尋(おおみちひろ)です。
海好きですか?私は好きです。名前にも海要素入れときました。
海は、日本にお住まいの方にとっては身近な存在だと思います。では、他国にとってはどうでしょう。何が各国にとっての利益となるのでしょう。ずっと側にある「海」という大きな存在に対し人間がどのように法を規定し、利害を考えてきたのか、知ってみたいと思いませんか。知りたいと思ったならぜひ、第二次国連海洋法会議という「大海」へ漕ぎ出してみましょう。
皆様が楽しいと思えるよう全力でサポートしますので、全力で大使を演じ切ってください!
皆様の関西大会2021が心に残るものになるよう願っております。

in and out
会議準備に際して議題や登場する概念の理解が難しく、そこに時間を割くあまり戦略構築などが疎かになってしまい、当日上手く立ち回れなかったという苦い経験をされた方も少なくはないのでしょうか。その結果、リアリティに欠けるような会議行動(例えば、冷戦期の東西対立が根深い会議において東側諸国と西側諸国が互いに融和的な態度を取り、積極的な交渉を行っている、など)が見られることもあります。しかしながら、模擬国連は単に議題について論ずるのではなく、「外交」というフィルターを通して議論するということを目的としているのではないでしょうか。

このように、模擬国連には「外交」という要素は欠かせないものであると考えます。その上で、「与えられたテーマについて自分以外の立場から論ずること」および「議論の構造が複雑であること」の二つもまた、模擬国連の特徴であると考えます。そしてこれら二つの特徴を踏まえ、当会議のコンセプトである「in and out」に二つの意味を込めました。

一点目の「与えられたテーマについて自分以外の立場から論ずること」を実現するためには、議題理解のみならず自国や周辺地域の状況、はたまた世界全体の情勢など時代背景を鑑みた会議準備が必要不可欠です。このように一国の代表(大使)として会議に参加するための準備(役作り)を十分に行うことで自分に与えられた役割に深く突き進み、会議に臨んでいただきたいという想いが「in」には込められています。

また、模擬国連ではディベートと異なり、議論の構造が完全な二項対立になることはあり得ず、論点も複数あることがほとんどです。このような複雑な構造の議論についていくためには議場を俯瞰できるようになることが重要です。第二次国連海洋法会議は対立構造が複雑な会議であり、皆様には是非目先の状況ばかりに囚われず、一歩引いた立場から議場全体を俯瞰できるようなデリになっていただきたいという想いが「out」には込められています。そしてこのスキルは今後の模擬国連活動だけでなく、様々な場面で大いに役立つでしょう。

議題解説

海。それは古代から地球上に存在し、地球の表面積のうち7割強を占めるものです。そして我々の身近に存在しているものでもあります。 「領海」や「排他的経済水域」という言葉を一度は耳にしたことがある方も多いでしょう。「海の領有」という考えの源流をさかのぼると、中世までさかのぼることになり、実のところ大変長い歴史をもっています。 海洋法はすべての国家に密接に関わる議題であり、安全保障や通商、資源開発など、海洋法が取り扱う範囲はは幅広い分野へと及んでいます。故に各国の利害関係が複雑に絡み合うため、海洋法の策定には長い年月を要しました。「海の憲法」と形容されることもある現行の国連海洋法条約は三度にわたる国連海洋法会議の成果として1982年に採択されたものです。 今回の議場である第二次国連海洋法会議は第一次・第三次会議とは異なり、条約の採択に至らなかったことから「失敗に終わった会議」とも言われることもあります。その背景には冷戦の影響のみならず、先述のように各国の複雑な利害関係が交錯しています。このように、本会議は様々な軸が複雑に絡み合っており、大変噛み応えのある議題となっています。

 

論点解説

第二次国連海洋法会議は、1958年の国連総会決議1307号によって、領海幅員及び漁業水域の問題について話し合うことを目的として開催されることが決定されました。

《大論点① 領海の幅員》 
 海洋法の法典化事業の一つである第一次国連海洋法会議では、「領海条約」「公海条約」「大陸棚条約」「公海生物資源保存条約」の4つの条約、通称「ジュネーブ海洋法4条約」が採択されましたが、その一方で具体的な領海幅員の決定には至りませんでした。今回模擬する第二次国連海洋法会議では未解決のまま残された領海の幅員について話し合っていただきます。本論点は、安全保障上の利害を巡って対立が起こる論点であり、冷戦真っ只中に開催された当会議では東西を軸とした対立が起こることが予想されます。

《大論点② 漁業水域の定義》
 漁業水域の問題もまた、第一次国連海洋法会議が未解決に残した問題の一つとなっています。漁業水域とは、沿岸での漁業に対して沿岸国が特権を有する領海の外側に隣接する外側の水域といえます。本論点では、漁業水域において沿岸国が具体的にはどのような権利を持つのかということから、漁業水域においてどのような例外規定が設定されるのかなど、漁業水域を規定するあらゆる事項について議論していただきます。本論点は、各国の漁業開発の発展度合いや国民の漁業への依存度など、各国の国内事情を基にスタンスを形成してもらうことになります。そのため、主に遠洋漁業国と沿岸漁業国の間で対立が起こることが予想されます。なお、小論点は後にフロントから設定し、公開する予定です。

《大論点③ 漁業水域の幅員》
 大論点②で漁業水域の定義を決めたとして、次に問題となってくるのがその幅員です。遠洋漁業国と沿岸漁業国の間で、利害を巡って漁業水域の幅員を何カイリにするのかについての議論が行われます。本論点も大論点②同様、各国の国内事情を基に対立軸が形成されると予想されます。

国割

Argentina

Brazil

Bulgaria

Canada*

Ceylon

Chile

China

Cuba

Denmark

France

Ghana

Guatemala

Iceland

India

Indonesia

Japan

Liberia

Mexico

Netherlands

Nicaragua

Peru

Philippines

Romania

Spain

Turkey

Ukrainian Soviet Socialist Republic 

Union of Soviet Socialist Republics*

United Arab Republic

United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland

United States of America*

*を付した国はペア必須

 

国割選びのポイント
本会議には大きく分けて以下の3つのグループが存在する。
①軍事的な利益から領海幅員を重視する国々
②領海幅員には固執せず漁業上の利益を保護しようとする国々
③その中間に位置する国々
また、①②のグループには更にそれぞれ東西、遠洋漁業国と沿岸漁業国という軸を基に分けることができる。
このように、本会議では複数の対立軸が存在し、グルーピングも複雑なものとなっていることに注意してほしい。また、これに伴って、一見同陣営であると考えられるような国の間でさえ激しい交渉を強いられる可能性があるということも念頭に置き、自分が会議でどのようなことをしたいのかを考えながら国割希望を決定してほしい。

 

国割紹介

説明の際に西側/東側/第三世界諸国、遠洋漁業国/沿岸漁業国と分けているが、あくまでもこれは便宜的なものであり、各国で細かなスタンスの差異が生じていることは理解されたい。

また、あくまでも紹介文は史実をベースにしたものであり、必ずしも紹介文に書いてあるような行動をとらないといけないというわけではない。

・Argentina 
 ラテンアメリカ諸国の一つであり、米州機構に属する。沿岸漁業を重視している。第一次国連海洋法会議ではアメリカ案を否定していたが、第二次国連海洋法会議ではカナダ・アメリカ案を支持している。また、沿岸漁業国の利益に資するようなアメンドメントをアメリカ・カナダ案に対して行っている。

・Brazil 
 西側諸国の一員であり、米州機構にも属する。また、沿岸漁業を重視している。第二次国連海洋法会議では基本的に西側陣営に対して肯定的な態度を取ったが、アメリカ・カナダ案に対しては沿岸漁業を重視する文言を含んだアメンドメントを提出している。

・Bulgaria
 東側陣営の一員であり、ソ連に同調する姿勢を強く見せている。ブルガリアが唯一面する海洋は黒海であり、ボスポラス・ダーダネルス海峡が海上交通の要所となるため、海峡通航に関係する領海幅員の議論には比較的関心が強い。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Canada
 西側陣営の一員。西側諸国としての行動もとるが、それと同時に沿岸漁業国としての利益を特に重要視している国であり、沿岸漁業国をまとめながら同陣営内で交渉をする力が求められる。第一次国連海洋法会議では沿岸漁業国に資するような条約案を提出しており、第二次国連海洋法会議でも同様の条約案を提出している。

・Ceylon
 非同盟諸国の一つ。西側陣営、東側陣営の意見に対して一貫した姿勢を取っているわけではないが、遠洋漁業を阻害するような案に対しては消極的な立場を取っている。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Chile
 ラテンアメリカ諸国の一員であり、米州機構に属する。また、沿岸漁業に強い関心を抱いており、ペルー同様1952年にサンチアゴ宣言で沿岸漁業を守ろうとする試みを行っている。主な関心は沿岸漁業にあり、領海幅員に関しては強い関心をもたない。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・China(中華民国、蔣介石政権) 
 西側陣営の一員。沿岸漁業と遠洋漁業の両方を行っており、遠洋漁業も一定程度重視している。遠洋漁業を阻害するような案に対しては一貫して反対の姿勢を見せている。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Cuba
 前年に起こった革命によりカストロ政権が成立した。対米関係が悪化し、ソ連に接近する途上にいる。また、国民の生活が大きく沿岸漁業に結びついており、沿岸漁業への関心も強い。第二次国連海洋法会議では、ブラジル、ウルグアイと共にアメリカ・カナダ案に対して後進沿岸国の漁業利益保持のための優先的漁業権を内容に含むという趣旨のアメンドメントを提出している。

・Denmark
 
西側諸国の一員。遠洋漁業国であり、遠洋漁業を阻害するようなものに対しては消極的な態度を取っている。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・France 
 ド・ゴール政権による第五共和制の下で独自路線を歩んでいるが、本会議では西側陣営だということができる。第二次国連海洋会議の開催に積極的であり、開催を決定した決議の提出国にもなった。また、遠洋漁業国であり、排他的な漁業水域の承認には難色を示している。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Ghana
 冷戦下では東側陣営との友好関係を深めたが、旧宗主国イギリスとの関係も継続している。また、沿岸漁業国であり、第二次国連海洋法会議では、沿岸漁業国としてアメリカ・カナダ案に対してアメンドメントを提出している。

・Guatemala
 西側諸国の一員であるが、海洋法会議においては西側陣営・東側陣営双方に対して中立な立場を取っている。また、沿岸漁業国である。第二次国連海洋法会議ではアメリカ・カナダ案に対して沿岸漁業国に資するようなアメンドメントを提出している。

・Iceland
 西側陣営の一員。国民の生活が沿岸漁業に非常に深く関わっており、本議題に関しては独自路線を貫いている。会議において各国による妥協がなされていく中で、いかに漁業範囲の重要性をアピールできるかが重要になるだろう。第二次国連海洋法会議では、沿岸漁業国に資する文言のみを掲げた条約案を提出しており、また、沿岸漁業国に資するようなアメンドメントも提出している。

・India
 第三世界のリーダー的存在の国。沿岸漁業国ではあるが、沿岸漁業保護の観点だけではなく、外国軍艦の自国沿岸への接近を危惧するなど安全保障上の観点から領海12カイリを支持している。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Indonesia
 スカルノ政権下であり、東側陣営の一員。領海12カイリを支持している。マレーシア・シンガポール間の海峡はインドネシアが南シナ海に至るための要所の一つであり、海峡の通航に関わる領海幅員の問題に強い関心をもつ。第二次国連海洋法会議では、複数の国と共に条約案を提出している。

・Japan
 西側陣営の一員であると同時に、遠洋漁業に非常に力を入れている国の一つでもある。そのため、基本的に遠洋漁業が妨げられるような条約案やアメンドメントに対しては反対の姿勢を取っている。しかし、同時に西側陣営との関係性も一定程度重視しているため、西側陣営内での調整などを行う中でいかに立ち回るかが重要になる。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Liberia
 
西側陣営の一員で親米国家。沿岸漁業国でもある。本会議開催に積極的であり、フランス同様、開催を決定した決議の提出国になった。なお、第二次国連海洋法会議では条約案の提出は行っていない。

・Mexico
 西側陣営の一員であるが、東側諸国との関係も大事にしており、更には第三世界諸国との関係も拡大している。また、沿岸漁業を重視する国でもある。第二次国連海洋法会議では、領海12カイリを主張し、更には漁業水域を12カイリ以遠まで設置しうる条約案を提出している。

・Netherlands
 西側諸国の一員。遠洋漁業国でもあり、遠洋漁業を阻害するような条約案に対しては一貫して反対の姿勢を見せている。また、海洋自由論を著したグロティウスや、射程距離説を主張したバインケルスフークの出身地でもある。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Nicaragua
 
西側陣営の一員であり、遠洋漁業国でもある。フランス、リベリア同様本会議開催に積極的であった。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Philippines
 西側諸国の一員であるが、領海幅員については東側諸国と同様の主張を行っている。島嶼国の代表といっても過言ではない。また、沿岸漁業国でもあり、漁業範囲拡大についてもある程度重視している。第一次国連海洋法会議における歴史的水域や領海基線などについての議論において、島嶼国のことを考慮した文言追加を行っている。第二次国連海洋法会議では、12カイリの領海を主張する条約案を提出している。

・Peru
 ラテンアメリカ諸国の一つであり、米州機構に属する。沿岸漁業国であり、沿岸漁業を守るものには一貫して賛成、そうでないものに対しては一貫して反対の姿勢を取っている。1952年にはサンチアゴ宣言を出し、沿岸漁業を守ろうという試みも行っている。第二次国連海洋法会議では、条約案の提出は行っていない。

・Romania
 東側陣営の一員で、ソ連に強く同調する姿勢を見せている。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Spain
 西側諸国の一員であり、アメリカ案を支持する姿勢を取っている。また、遠洋漁業国であり、遠洋漁業を阻害するような条約案に対しては一貫して反対の姿勢を見せている。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Turkey
 西側諸国の一員であり、親米路線が取られてきた。黒海と地中海に接しており、海洋軍事的に東側陣営との距離が近い国であるということができる。第二次国連海洋法会議では領海12カイリとする条約案に対しては反対の姿勢を取っており、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Ukrainian Soviet Socialist Republic
 東側陣営の一員。ソ連を構成する共和国の一つであるため、ソ連と利害を共有している。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・Union of Soviet Socialist Republics
 東側陣営の盟主。冷戦における戦略上の目的から領海12カイリを主張し、西側陣営が展開する領海3カイリないし6カイリの主張を断固として認めない立場を取る。沿岸漁業と遠洋漁業の両方を行っているが、漁業よりも安全保障上の観点を重視している国だといえる。第二次国連海洋法会議では、領海12カイリを設置するような条約案を提出しており、その後東側諸国での調整を行う中で他国の案とコンバインを行った。

・United Arab Republic
 
東側諸国の一員。領海12カイリを支持しており、第一次国連海洋法会議では、第二次国連海洋法会議のソ連案と同様のものを共同提案で提出している。第二次国連海洋法会議では、アメンドメントや条約案は提出していない。

・United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
 
西側諸国の一員。軍事力が高く、海洋軍事を重視しているため、元来より狭い領海幅員を望んでいる。一方、それと同時に漁業にも力を入れており、遠洋漁業と自国付近で漁を行う沿岸漁業の両方が発達している。そのため、領海幅員を狭めたいという主張、沿岸漁業を守りたいという思い、遠洋漁業を進めたいという思いを同時に抱いている。第二次国連海洋法会議では、条約案やアメンドメントの提出は行っていない。

・United States of America
 
言うまでもなく冷戦期において西側陣営をまとめている存在であり、海洋法の世界においても非常に強い影響力を持っている。西側陣営の海上での軍事活動を行いやすくするために領海を狭めることを求めているが、それと同時に漁業水域で対立する西側諸国の意見をまとめようと努めている。第二次国連海洋法会議では、領海6カイリを主張する条約案を提出している。

会議の特徴

《サポート面》

・各個人に合わせたタスク 
 当会議では、画一的なタスクを配布するのではなく、会議経験や当会議を通じて達成したいことに応じて3種類のタスクから選んでいただきます。会議準備の進め方に自信がないという人から、独自のリサーチ進め方を持っているという人まで、その人に合わせた進め方で会議準備を進めていただきます。これにより、自らの会議準備の方法を見つめ直し、よりよい会議準備の方法を模索することにつながります。

・メンター
 全ての会議において細かいメンターは行われると思いますが、当会議も例に漏れず丁寧なメンターを行う予定です。個人に合わせたタスクを基に、全てのデリが会議準備不足による不安をできるだけ少なくした状態で会議当日を迎えられるように、フロント一同全力でサポートします。また、当会議のフロントメンバーには、会議経験・フロント経験が豊富な人が集まっており、丁寧なサポートが受けられること間違いなしです。

《設計面》

・取りうる戦略・戦術の広さと重要性 
 当会議はアンモデ(コーカス)がメインの会議となっており、また対立軸も複雑であるため、交渉における戦略・戦術を緻密に何重にも立てることが望まれます。また、当会議では条約案に対するアメンドメント(修正提案)を認めています。それを活かした立ち回りが求められるため、取りうる戦略・戦術の幅が広いものとなっています。さらに、会議当日にはその場の状況に応じて戦略・戦術を修正することが求められます。当会議で戦略や戦術について深く考えるという経験は、今後の模擬国連人生にも役立つものではないかと思います。

・最後まで粘り強く交渉する必要性
 
史実の第二次国連海洋法会議は、1票差で条約案の採択に失敗した会議です。今回模擬する際にも、史実における各陣営のパワーバランスを踏襲する形で設計しています。また、アメンドメントの提出を可能にしたことにより、条約案が出された後にも粘り強く複数の国と交渉する必要があります。このように、当会議では最終盤まで結果がどうなるか予想のしにくい会議となっており、最後まで粘り強く交渉する力を身に着けることができます。

・一国一国の重要性
 
当会議は、東西対立の影響が色濃く反映された領海幅員と、各国の国内事情の影響を非常に強く受ける漁業水域の問題の2点について扱います。対立軸は非常に複雑なものになっており、ただ大国についていくだけの国が非常に少なくなっていますので、全てのデリが自国の国益を達成するために主体的に動くことが求められます。

求めるデリ像

・会議準備の方法を見つめ直したい人
・時代背景や自国のおかれた状況を意識しながら会議行動ができるようになりたい人
・議場を俯瞰しながら会議行動ができるようになりたい人
・自分で練った戦略・戦術を状況に応じて修正しながら会議行動ができるようになりたい人
・最後まで粘り強く交渉がしたい人
・海洋法に興味がある人

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