気候変動枠組条約締約国会議(COP15)

会議監督柳原理来(同志社大学社会学部3年、京都研究会老メン)
議題

気候変動枠組条約締約国会議(COP15)
(The Conference of the Parties to the United Nations Framework Convention on Climate Change)

議場気候変動枠組条約第15回締約国会議
(The 15th session of the Conference of the Parties to the United Nations Framework Convention on Climate Change)
使用言語公式/非公式/文書=日/日/日
設定日時 2009年12/7~12/18
募集人数 30人
フロント会議監督:柳原理来(京都研究会、老メン)
議長:米村綸華(京都研究会、老メン)
秘書官:木野唯織(京都研究会、神メン)
    田中沙耶(四ツ谷研究会、老メン)
    宮下恭輔(国立研究会、老メン)

こんにちは!

会議監督の柳原理来です。 同志社大学の社会学部の超少人数学科に在籍し、京都研究会に所属しています。関西弁を喋ることがたまにありますが、出身は福岡県です。日本酒をこよなく愛し、日本酒バルのバイトをして新たな日本酒バーの開拓をする大学生活を送っています。いたって健全な女子大生ですね。

私は新メンのときに第19回関西大会にデリで参加し、大きく成長するきっかけを得ました。普段の研究会単位の会議とは異なり、関西大会では会議フロントにも参加者にも高いレベルが要求されます。一般的な大学サークルを楽しむ感覚で、ほんの軽い気持ちで入部していた私は、関西大会に参加して初めて脳に汗をかき、模擬国連に本気になれました。その関西大会に、今回はディレクとして参加することができて非常に喜ばしいです。恩送りのようですが、今度は私が、参加者の皆さんにきっかけを与えられる会議を提供できたらと思っています。フロント一同、参加者の皆さんの成長をサポートしていくつもりです。一緒に、今後の模擬国連人生を変えるような夏の思い出を作りませんか!? 

皆様のアプライを心よりお待ちしております。

国際組織の存在意義を問う

「国際組織」とは、国連や締約国会議など、「国際社会全体である目標を達成するために、各国が一丸となって1つの決まりごとを作る組織」とここでは定義します。
また、「国際組織が存在している」というのは、すなわち「各国がある目標のもと開催された会議に出席している(交渉テーブルについている)状態」と言えます。

つまり、このコンセプトの意味するところは、「国際社会全体である目標を達成するために、一丸となって1つの決まりごとを作る組織において、各国がその会議に出席している(交渉テーブルについている)意義を問う」ということです。
国際社会全体で「一丸となって1つの決まりごとを作る」ことは決して容易ではありません。今会議ではその難しさを体験してもらいたいと思っています。

また、その難しさを体験するなかで、自国がその議場に出席している意義、ひいては、「国際組織が存在している意義」を見出だしてもらいたいです。自国にとって不利益を被る可能性がある議題にも関わらず、自国はなぜ会議に出席している(交渉テーブルについている)のでしょうか。そこには、国益を超える、国際社会全体利益というようなものが存在するのかもしれません。それはまさに国際組織の存在意義に通ずる部分があると思います。

COPという議題は多くの模擬コッカーに長年愛されてきており、既に模擬したことがある人も多いでしょう。COPは、比較的、自国利益やグループのスタンスが分かりやすく、それらを達成するための緻密な交渉戦略を練り上げることが要求されます。その分かりやすさ・要求の高さから、単なる交渉ゲーム・戦略ゲームになりがちです。しかし今会議では、いわゆる知的競技や参加者各々の技術向上というような個人的・主観的視点だけではなく、それに加えて、なんのために自分がそこに出席し、なんのために国際組織が存在しているのかという全体的・客観的視点も培ってもらいたいと考えています。
こうした背景から、今会議のコンセプトを「国際組織の存在意義を問う」にしました。

議題解説

 気候変動枠組条約締約国会議(COP)は、1992年に採択された、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目標とする「国連気候変動枠組条約」に基づいて、1995年から毎年開催されている会議です。今会議の舞台となるCOP15は、2009年にデンマークのコペンハーゲンで開催されました。

 以下「COPの面白い特徴」と「COP15の面白い特徴」を紹介させていただきます。

~COPの面白い特徴4選~

①コンセンサス採択
COPにおける成果文書はコンセンサス(全会一致)で採択されます。1カ国でも反対する国があれば決議は採択されません。そのため、全ての国が賛同できるように会議の終盤まで粘り強く交渉し続ける必要があります。

②締約国会議
締約国会議は、条約や議定書を批准した国が集まる会議です。COPの場合、1992年の地球環境サミットで採択された気候変動枠組条約(UNFCCC)の批准国が集まって行われている会議です。また、COPにおける決定には原則として法的拘束力はありません。

③グルーピング
COPでは大きく5つのグループがあります。温暖化に対して最も危機感を抱いている島嶼国(AOSIS)、資金・技術がなく温暖化の影響に対して脆弱な後発開発途上国(LDC)、先進国のみに削減義務を負わせるべきだと主張する新興国(BASIC)、温暖化対策に積極的なヨーロッパ諸国、途上国にも削減義務を負わせるべきだと主張するEU以外の先進国(アンブレラ)です。しかし,細かいスタンスは各国ごとに異なっており、グループと自国の主張の両方を意識した会議行動が大使には求められます。

④化石賞
地球温暖化対策に前向きな姿勢を見せない国に対して皮肉を込めて授与される賞です。COPに参加するNGO団体の一つであるCAN(気候行動ネットワーク)が、COP5以来、毎年COPのセレモニーの一環として化石賞を授与しています。ちなみに、化石賞の逆で、前向きの発言や行動をした国には宝石賞なるものが与えられます。
 COPによる決定には法的拘束力がないことは先述しましたが、COP15までに唯一法的拘束力のある議定書が作成されました。それが、1997年のCOP3で採択された「京都議定書」です。しかし、京都議定書の第1約束期間は2012年までになっており、それ以降の法的枠組みを策定する必要がありました。これが、今会議で議論する内容です

~COP15の面白い特徴3選~

①手探りでの出発
京都議定書は法的拘束力を持つため、それに続く「ポスト京都議定書」も法的拘束力を持つ文書とすることが望ましいとされていました。しかし、COP15に至るまでの交渉で、そのような文書の骨子や条文について明確な方向性は定まっておらず、各国の妥協点も不明なまま会議は開催されます。COP15は、まさに「ポスト京都議定書」作成過程の最初の一歩ともいえ、国際社会全体で「一丸となって1つの決まり事を作る難しさ」を体験するにはもってこいの議題なのです。

②初の首脳級会合
通常COPでは二週間にわたる会期の最後に環境大臣等の閣僚級会合が行われて結論が取りまとめられますが、COP15では環境大臣等に限らず、日本の鳩山総理大臣、アメリカのオバマ大統領、中国の温家宝首相をはじめ、115の国のトップらが集まりました。つまりCOP15はこれほど重要で、注目度が高く期待された会議だったのです。

③史実の会議結果に対する様々な評価
史実のCOP15はあくまで大枠を定めた「コペンハーゲン合意」に「留意」するという形で終了し、詳細な合意内容の決定や法的拘束力のある文書作成は後のCOPに見送ることになりました。この成果に対しては様々な意見があります。その一つに、「期待以下であった」というものがあります。史実の会議をどう受け止めて、どう自国の会議行動を思考し模擬するかは、参加者の皆さん次第です。

論点解説

【大論点】

「京都議定書第一約束期間後の法的枠組みの構築」
 2012年に失効する京都議定書の第一約束期間後の法的枠組みの構築においては主に「京都議定書の延期」、または京都議定書に代わる「ポスト京都議定書(新議定書)の策定」という二つの案があります。上記の二つの選択肢は,今会議における最も大きな論点として常に考慮される点です。議論を進めていくうえで、各国がどのような枠組み構築の形態を望んでいるか,すなわち「京都議定書の延期」と「ポスト京都議定書の策定」の二つのうちどちらをより重視しているかを理解する必要があります。しかし、実際は「京都議定書の延期」より「ポスト京都議定書の策定」の方がより話す内容が多くなるため、結果的には「ポスト京都議定書の策定」に偏った議論になることが想定されていました。
このような背景からCOP15は「ポスト京都議定書の採択」という大きな目標の達成を目指して開催されました。京都議定書は交渉開始から3年後に採択され、発効したのはさらにその8年後でした。これらの手続きに要する膨大な時間を考えると、2012年に失効する京都議定書に取って代わる「ポスト京都議定書」の採択をCOP15でしておく必要があったのです。しかし同時に、COP15は「ポスト京都議定書」の交渉プロセスの出発点でもあり、会議の合意の着地点をどこにするかで、中論点・小論点の設定の仕方も無数に存在します。そのため、例としてフロントから以下の論点を提示します。

【中論点】
①温室効果ガス排出量の削減主体
②世界全体、先進国および途上国の温室効果ガス排出量削減目標
③地球温暖化防止に向けた多国間協力

【各中論点に付随する小論点】
中論点①温室効果ガス排出量の削減主体に関して
 京都議定書において温室効果ガス削減義務を負う国は一部の先進国に限られていました。そのため、ポスト京都議定書を新たに考える場合、その参加国と義務の履行主体について議論する必要があります。また、削減義務を履行しているかを調査する委員会を新たに設置するかも考える必要があります。

中論点②世界全体、先進国および途上国の温室効果ガス排出量削減目標
 世界全体の目標に法的拘束力を持たせるか持たせないか、目標の基準年をいつにするかなど、京都議定書の延期にしろ新議定書の策定にしろ目標については話し合う必要があります。また、先進国の目標・途上国の目標・各国の目標など、より詳細な目標の設定についても考える必要があります。
温室効果ガスの削減という目標の達成度を図るために、MRV(Measurement, Reporting and Verification)、つまり温室効果ガス排出量の測定、報告及び検証を、誰がどのようにどのくらいの頻度で行うかという点も考える必要があります。

中論点③地球温暖化防止に向けた多国間協力
小論点i)京都メカニズム 
 京都議定書では一部の先進国が削減目標を達成するにあたり三つの仕組みが設けられていました。それが「共同実施(JI: Joint Implementation)」,「 クリーン開発メカニズム(CDM: Clean Development Mechanism)」「および排出量取引(ET: Emission Trading)」です。これらは、自国の排出量が自国の排出枠を上回ってしまった場合に、他国から排出枠を購入したり,外国で実施した温室効果ガス削減を自国の削減とみなすことができるという画期的な仕組みですが、この仕組みをポスト京都議定書にも盛り込むかは中論点①の義務の履行主体の議論に関わってきます。

小論点ii)多国間資金・技術協力
 温室効果ガスを削減するための設備に必要な資金や技術を持っていない途上国への支援をどのように構築するかについて議論します。例えば削減のための技術そのものを伝えること、削減技術を発達させるために必要な支援をすることが一番分かりやすい例として挙げられます。その技術伝播や資金拠出について、各国のODAの枠組みで行うのか、それとも画一的な方法で資金を提供するのかという論点があります。さらに発展途上国における具体的な地球温暖化の悪影響に適応するための事業や計画に対する資金給与制度を適応基金と呼び、これも論点の一つです。適応基金については、どのような委員会/機関が資金を管理するのかというところに根深い対立があります

国割(予定)

Algeria, Australia, Brazil, Canada, China,
Columbia, Cuba, Denmark, Fiji, Germany,
Grenada, India, Indonesia, Italy, Japan,
Malaysia, Mexico, Morocco, Norway, Poland,
Republic of Korea, Russian Federation, Saudi Arabia, South Africa, Sudan,
Sweden, Tuvalu, United Kingdom, United States of America, Venezuela

国割選びのポイント

国割に掲載している国々は大きく5つのグループに分けられます。

上記の表は、各グループの発展状況を縦軸にしたうえで、「温室効果ガス削減義務を負わせる対象をどう考えているか」という観点を横軸に設定し、各グル―プの主張を分かりやすく簡略表記したものです。


 上の表は、必ずしも今回の会議行動を規定するものではありません。おおよそのグループスタンスを理解していただくために作成し掲載しています。
 比較的主張がはっきりとしている国を希望される方には、アンブレラや新興国、島嶼国AOSISのグループの国々をオススメします。逆に柔軟な会議行動をしたい方には、その他のグループの国々をオススメします。

会議の特徴

 議題の特徴については議題解説で述べたので、ここでは会議設計に焦点を当てて特徴を述べさせていただきます。

①コンセンサス採択
実際のCOPがコンセンサス採択であるように、今会議においても決定事項は原則コンセンサス採択とします。全締約国の賛同が得られるよう最後まで粘り強く交渉してください

②締約国会議
COPにおける決定は原則法的拘束力がありません。そのため、法的拘束力のある採択文書にするか否かは議論する必要があります。

③グルーピング
議場には大きく5つのグループが存在しています。グループの主張と自国の主張の両方を意識した会議行動が求められます。

④化石賞の設置
 今会議では、会議三日間毎日プレスの中で、化石賞を発表します。化石賞とは地球温暖化対策に前向きな姿勢を見せない国に対して、皮肉を込めて授与される賞のことです。これを今会議で設ける意図としては、各国大使が、フロント扮するNGO団体の意見を注視し、国際益を常に視野にいれた発言や会議行動をとるようにするためです。COPにおいてNGOや世論は重大な役割を果たしており、自国益ばかりを気にして行動していると地球温暖化対策に積極的ではないと批判されるかもしれません。各国大使は、今会議において議場だけではなく環境NGOの意見なども気にしながら行動する必要があります。そして、もし化石賞に表彰されたら、それをどう受け止め対処するのかを考えてください。対処法によっては、自国の株を大きく上げることができるかもしれません

 

求めるデリ像

 参加者に最も重視していただきたいこととして、「会議コンセプトとの一致」があります。「一丸となって一つの決まり事を作る難しさ」を経験したい、そして、知的競技や各々の技術向上の場として個人的・主観的に模擬国連を楽しむにとどまらず、自国が出席している意味や国際組織の存在意義にまで目を向けて全体的・客観的に議場を見渡す努力をしたいといった意欲のある方は特に歓迎します。

 以下、簡単にではありますが箇条書きにて求めるデリ像を記させていただきます。

・わかりやすいグルーピングの会議から全国大会に挑戦したい
・自国が国際会議に出席している意義を見つけ出したい
・国際組織の存在意義をフロントと一緒に問い、答えを見出したい
・知的競技や各々の技術向上の場に留まらず、現実の外交に忠実な形(外交官としての責任,国際社会の状況を反映した形)での模擬国連を楽しみたい
・国益設定において、自国益だけではなく国際益で議場を捉えたい
・戦略立案において、自国のみのことを考えた戦略だけではなく、議場全体を俯瞰した戦略に基づいて会議を行いたい
・自分が模擬国連をしている意義を見つけたい
・環境問題(特に地球温暖化)に興味関心がある

 また、フロントからの手厚いサポートを受けたいという方や、純粋にフロントや議題等に興味がある方も大歓迎です。

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