NPT第10回再検討会議

会議監督山本雄大(早稲田研究会 老メン)
議題NPT再検討会議
(2021 Review Conference of Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)
議場第10回NPT再検討会議(2021年8月)
(2021 Review Conference of Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)
使用言語公式/非公式/文書=日/日/日
設定日時2021/8/2~8/27
募集人数41(ペア11+シングル19)
フロント会議監督:山本雄大  早稲田研究会 老メン 
副会議監督:渡邊玲央 駒場研究会 老メン
議長:村田健一 国立研究会 老メン
秘書官:真鍋はるか 日吉研究会 老メン 
秘書官:山本陽来 早稲田研究会 老メン 

皆様こんにちは!この度会議監督を務めさせていただきます早稲田研究会老メンの山本雄大と申します。NPTという議題は過去何十年という長い歴史の中で何度も議論を重ねられてきたにもかかわらず歴史的な変革が数回しか起こっていない非常に保守的な議題です。そのため自身が大使であるということを忘れて歴史を無視した議論を展開すれば周囲から咎められてしまいます。この会議は奇をてらった議題設定ではありません。しかしだからこそ,参加者である皆様自身の模擬国連を振り返ると同時に皆様が大学模擬国連という活動において新たな視座を得る助けになればと思います。

この会議は私自身とフロントの一部が参加したNPT第9回再検討会議が原点となっています。当時模擬国連という活動に出会ってから数か月が経ち,まだまだ会議経験も未熟だった私はこの会議に参加してとてつもない衝撃を受けました。この会議は会議設計上参加人数がとても多く,記憶が正しければ100人以上の参加者がいました。そんな人数が一つの部屋に集まってコンバイン交渉をしていました。当時私は先輩とペアを組んでアメリカ大使を演じていたのですが,そのペアの先輩が議場でとてつもないプレゼンスを発揮していました。その時の光景はすさまじいの一言に尽きるのですが,約100人の参加者全員がアメリカ大使のことを注視し,全員がシーンと静かにしている中でただ一人ペアの先輩だけが僕の隣で言葉を紡いでいたのです。この光景が今でも忘れられません。模擬国連とはこうも美しいものなのかと。模擬国連とはこうも力強いものなのかと。始めたばかりの初心者の身ながら恐ろしいほどの衝撃を受けました。場に広がる緊張。その緊張の中で一歩間違えればすぐに壊れてしまいそうなほどのか細い,しかしだからこそ信じられないくらいに美しく力強い議場全体の一体感。このまま会議が進み,議場全体でまとまったかのように見えましたが投票行動に移りふたを開けてみると約50ヵ国の参加国のうち唯一南アフリカ大使がNoを挙げたことでアメリカ提出の草案は採択されませんでした。こうして決議は通らずに会議が終わってしまったのですが,会議が終わって家に帰ってからも私の興奮は冷めませんでした。たった数時間前に感じていた何とも言えぬ高揚感を思い浮かべながら一人で感傷に浸っていたことを覚えています。私は参加者の皆様にも私と同様の,いやそれ以上の経験をしていただきたいという一心でこの会議を作らせていただきます。当然,当時の会議に私自身の今までの経験を踏まえて様々な改変を加えより良いものにしていく所存ですし,フロント一同参加者にこのような体験をしていただくために考えられる限りのサポートをいたします。

ぜひこの会議を通して,大学模擬国連の酸いも甘いもすべてを感じていってください!少しでも気になった方,ぜひアプライしてみてください。きっと一生忘れられない夏の思い出が出来上がるはずです。フロント一同,皆様と関西大会でお会いできるのを楽しみにしております!

Go beyond yourself

皆様は,今まで模擬国連をやってきた中で最も印象に残っている瞬間はどのような瞬間でしょうか?スピーチで議場を魅了できた瞬間やインフォーマルでキレキレの議論ができた瞬間,会議で決議が通った瞬間など人それぞれだと思います。この会議を通して皆様自身の今までの経験を大きく塗り替えるような瞬間を体験してほしい,その体験を活かして参加者の皆様にさらに飛躍してほしいという願いを込めています。
このコンセプトを打ち立てるにあたっては私自身の過去の経験が大きく影響しています。当時中学3年生であった私が2015年に行われた第9回NPT再検討会議にアメリカ大使として参加したとき,アメリカの案をベースとしてコンセンサスが実現しかけました。最終的には一か国が勇気をもってNOをあげたためにコンセンサスは実現されませんでしたが,そこに至るまでの議論であったり,100人を超える参加者が確実に一つの目標に向かって足並みをそろえている空気感に圧倒されました。
上述の通り,私は今回この会議に参加してくださったデリの皆様には形は違えど自分と同じように今後一生忘れないような,自身の模擬国連人生の核となるような体験をしていただきたいと考えています。詳しいことは会議監督挨拶の場で記述しているので一読していただけると幸いです。

このような体験は,当然ですが何も考えずただ会議に参加するだけではそうそうできるものではありません。なら自分が今までやってきた模擬国連の延長線ではこのコンセプトは達成されないのか。そんなことを思う方もいると思います。しかしながら,一切そんなことはありません。むしろ目的意識を確立したうえで普段の会議行動を極限まで突き詰めた先に見える景色がこれなのだと,私たちは考えています。
物理学者たちが古典力学で解決できない問題にぶつかったときに量子力学を生み出したのと同じように,皆様が新しい視座を持ち,殻を破って一歩先へ進む一助となれたらいいなという思いをこめてコンセプトとさせていただきます。

議題説明

1970年の3月5日に核兵器の不拡散に関する条約(NPT)が発効されて以来,今まで核兵器に関する再検討会議は5年に1回というペースで行われてきました。今回の会議では5年ごとに行われてきた再検討会議の第10回を扱います。1970年に発効されてからのこの50年間で,NPT再検討会議の持つ意味や世界情勢の中での役割は変わり続けてきたのです。発効当時は「五大国が核兵器を持つことを肯定するための条約」という非核兵器国からしたら利点も何もない圧倒的不平等条約でした。しかしながら冷戦の終了と同時に転機は訪れ,それまでは前述のような意味を持ち米ソの核戦争を防ぐための唯一の国際法であったのが,普遍的な核軍縮及び新たな核拡散の防止という意味付けがなされました。またこの頃からNPTを無視して核開発を独自で進めたり核兵器を違法に流出させたりする勢力が現れ,これらに対抗するためにも,締約国が集まり改めて議論する必要性が出てきたのです。このNPTは核兵器について議論する場を設けている唯一の国際的な約束です。核という対象を扱っているだけに慎重な国も多いですが,「核なき世界」を目指して各国が今まで議論を重ねてきて少しずつ前進していることは確かです。国際情勢が不透明でその重要性が高まっている今こそ,今までの9回の議論の上に成り立つNPT第10回再検討会議をともに作り上げましょう。

 

論点説明

本会議では「核軍縮」「核不拡散」「原子力の平和利用」「中東問題」の4つの議論を行っていただきます。それぞれの内容は次の通りです。
・核軍縮 NPTによって核保有を認められた国による核兵器削減のための取り組みについて。 
・核不拡散 核兵器やその関連機材・技術が,世界に拡散しないようにするための取り組みについて。 
・原子力の平和利用 原子力の平和的利用の権利やそれに関する技術協力等の取り組みについて。 
・中東問題 NPT加盟を拒むイスラエルや核開発疑惑のある国,中東非武装地帯の設立などについて。 
なお今会議では原子力の平和利用と中東問題の2つの議論は分科会形式で行います。

国割

AustraliaAustriaBrazilCanadaChina*
CubaEgypt*France*GermanyIndonesia
Iran*Iraq*IrelandIsrael*Japan
MalaysiaMarshallMexico*Morocco*Nether Land
NigeriaNorwayRussia*Saudi ArabiaSouth Africa
SwitzerlandTurkey*UAEUK*

USA*

*を付した国はペア

 

国選びのポイント

以下に本会議における主要なグループを掲載いたしますので参考にしてください。

・核保有国(N5)
NPTにおいて核保有国と定められている枠組みです。彼らは核軍縮および核不拡散の義務を負っていて本会議においても重要な立ち位置の国ばかりとなっています。
該当国:中国・フランス・ロシア・イギリス・アメリカ

・非同盟諸国(NAM)
約120ヵ国からなる本会議における最大のグループです。核廃絶に期限を設けているのが特徴で,現在でも決議案の共同提出を行っています。所属メンバーは核保有国と軍事同盟を結んでいないという共通点がありますが,各国様々な主張を展開しているためグループ内で統一した合意を得るのは容易ではありません。
該当国:キューバ・エジプト・インドネシア・イラン・イラク・マレーシア・モロッコ・ナイジェリア・サウジアラビア・南アフリカ

・新アジェンダ連合(NAC)
核保有国および核兵器国に対して核兵器削減を促している政治的グループで,核廃絶を「明確な約束」として掲げていることが特徴としてあげられます。西側諸国と非西側諸国で若干の対立がありますがグループ全体としては核廃絶に向けて強い団結力を見せています。
該当国:ブラジル・エジプト・アイルランド・メキシコ・南アフリカ

・軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)
上記の核保有国の同盟国から形成されたグループです。2010年に結成されたのち2015年ではグループとしての初の声明も発表し,アメリカをはじめとした核保有国による核の傘の恩恵を強く受けています。また,そのため急な核軍縮には反対の立場で漸進的な核軍縮を推進しています。
該当国:オーストラリア・カナダ・ドイツ・日本・メキシコ・ナイジェリア・アラブ首長国連邦・トルコ・オランダ

・人道グループ
2010年以降,核兵器がもたらす非人道的な影響に注目して核軍縮を推進している有志国連合です。「核兵器の非人道的影響に関する会議」を開催するなど実際に非人道性に注目して活動もしており,核兵器禁止条約の採択においても重要な役割を果たしました。
該当国:エジプト・インドネシア・アイルランド・マレーシア・メキシコ・ナイジェリア・ノルウェー・南アフリカ・スイス

今回はペアデリでの募集を全11か国受け付けています。論点解説を読んでいただければわかる通り「原子力の平和利用」と「中東問題」を分科会形式としているためその点を考慮しての国割設定となっています。どこの国でも役割がはっきりしていて異なる楽しみ方があるので,上記のポイントを参照してよく考えたうえで国割を希望していただければと思います。

 

会議の特徴

この会議の特徴としては次の4点を上げさせていただきます。 
・リアルタイム会議 
本会議の最大の特徴としてあげられるのがリアルタイム会議であるという点です。新型コロナウイルスの影響により関西大会が行われる2021年の8月に延期されたため「史実の存在しない,それでいて現在の国際情勢を反映した会議」という過去に例を見ない会議形態となっています。

・会議までの手厚いサポートと会議後の充実したフィードバック 
コンセプトでも紹介しました通り参加者の皆様には「今後の模擬国連人生の核となる体験」をしていただきたいと考えています。この理念に基づいて総フロント経験20を超えるフロント陣で確実なサポートと会議で得た経験を今後に生かすためのフィードバックを行います。 

・分科会形式の議論 
本会議では主な論点を4つ用意していますが,そのうちの「原子力の平和利用」と「中東問題」については分科会形式で議論をしていただきます。特に新メンの皆様はまだ分科会形式での議論を経験したことのない方も多いと思いますので分科会形式ならではの白熱した空気を味わっていただけると思います。

・コンセンサス採択 
本会議では採択要件としてコンセンサス採択を採用しています。すべての国の賛成を得ないと決議が採択されないというコンセンサス独特の緊張感を感じていただけます。

求めるデリ像

本会議では次のようなデリにぜひ参加していただきたいと考えています。 

・自身の模擬国連人生の核となるような心震える瞬間を1参加者として追求できる人 
・リサーチをはじめとした会議に向けた準備を入念に行える人/行えるようになりたい人 
・会議準備から会議当日までで感じたものや得たものを会議後のレビューでしっかり言語化して次につなげられる人

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