第25回模擬国連会議関西大会

占領下にあるアラブ領域の情勢

議題・論点解説

 本会議は「中東問題」を大きく扱います。いわゆる中東問題は宗教上の対立であるとよく言われますが、それは部分的に正しくても根本的には違います。これは民族と国家の主権に関する対立なのです。そして今回はそのうちの主に「領土」にあたる部分を議論します。

 本議題の念頭に置かれる情勢は「イスラエル議会においてなされたゴラン高原への管轄権行使」です。まずイスラエルは、パレスチナ分割決議から逸脱する領土の獲得、つまり6日間戦争をはじめとした中東諸国との戦争において軍事的に領土を獲得してきました。それは主にシナイ半島、そしてゴラン高原となります。シナイ半島については1978年のキャンプデービッド合意によってエジプトがイスラエルとの2国間交渉に応じる形で返還が決定されましたが、それに相対してシリアはヨムキプール戦争以降イスラエルとの交渉に一切応じようとしませんでした。以上のような状況においてイスラエルが対アラブのためにさらに強い措置、つまりゴラン高原への管轄権行使を実行に移したと考えられます。

 この緊急事態の中で国連は安保理においてイスラエルの管轄権行使の撤回を求める決議497を採択します。しかしそれでもイスラエルが安保理の言うことを聞かなかったため、より強い制裁措置を伴った決議を決議しようとしましたがアメリカの拒否権行使により採択されませんでした。その代わり、この事態を打開するため、平和のための結集決議に基づいて総会において緊急特別会期を開くことを決議500の採択によって決定しました。それによってこの会議が初めて開かれたのです。

 史実においてこの会議はほとんど有意義なものとはなりませんでした。この際の決議を見てみると、イスラエルを非平和愛好国であると非難し、比較的烈度の高いものの実行性のない制裁文言が記されています。またフランスが分割投票を要求したにもかかわらずそれがなされることはありませんでした。これが意味するのは、決議における総会という場におけるアラブ側による一方的なイスラエルの非難と制裁、であり事態を解決するにはいささか急進的だったといわざるを得ません。その結果を示すかのように、この後イスラエルは管轄権行使を撤廃するどころか、およそ4か月後にレバノンに侵攻し中東情勢をさらなる混乱に陥れました。ここから、イスラエルはヒートアップしすぎた国際社会を機能不全とみなし自身を正当化させたといえるでしょう。また緊急特別総会の持つ「勧告」による措置もなされませんでした。そういう文脈において今会議はイスラエルの行動に大きく制限をかけるものになりませんでした。

 デリの皆さんにはこれら史実を参考にして何が自分の追求したいことに寄与するのか、自分の追求のためには何をすればいいのか、をしっかり考えていただけたらと思います。
私の会議はオープンアジェンダ(いわゆるデリの皆さんに会議の論点案やTT案を考え討論してもらうことで論点・議事進行を決定すること)の形式をとります。よってここにおいては、絶対的かつ詳細な論点ではなく、あくまでフロントとして考えているこの会議における基本的な論点を「現実認識→今会議でやるべきこと」というパッケージに落とし込んだうえで述べたいと思います。

 

イスラエルの管轄権行使についてこれまでの議論

→ゴラン高原においてイスラエルが行使する管轄権についての評価や認識を議場内ですり合わせる論点になります。主な争点は以下になります。

・ゴラン高原の状態について、法的に、ないしは事実としてどうであるか

・どのような議論が行われたのか

 

緊急特別総会という場でどのように情勢に対して対応するか

→実際にどのような行動を実行していくかを議論する論点になります。主な争点は以下になります。

・緊急特別総会に委託される権限について

・7章認定を行うか

・当事者にどのようなことを求めるのか

・措置をとる必要性があるか否か

・どのような措置をこの場でとるのか

フロント

会議監督

袁清于|上智大学総合グローバル学部|四ツ谷研究会|老メン

副会議監督

青柳友香|早稲田大学政治経済学部|早稲田研究会|老メン

議長

小嶺響平|上智大学総合グローバル学部|四ツ谷研究会|老メン

セク長

清水大輝|上智大学法学部|四ツ谷研究会|老メン

秘書官

田形萌々花|同志社大学文学部|京都研究会|老メン

 

会議詳細

議題

「占領下にあるアラブ領域の情勢」

設定議場

総会緊急特別会期

設定日時

1982年2月5日

使用言語
公式討議:日本語・国連公用語
非公式討議:日本語
成果文書:日本語(動詞のみ日英併記)

会議参加国数
24か国を予定

募集人数
38名を予定

参加形態

基本シングルかペアデリ、相談次第でトリデリまで受け付けます

PIE (Pursue It Eagerly)

 まず皆さんに問いたいと思います、

「なぜあなたたちは模擬国連をやっているのでしょうか?」

いろいろあると思いますが、私の答えはずばり「面白いから」「楽しいから」です。そしてこれは模擬をやっている中である意味皆が共有している感情だと思っています。

例えば私は別に議題理解やロジック想定はそんなに好きではありません。寧ろ苦に思っているくらいです。しかし会議に向けて戦略を練ることや、一国の大使として振る舞うことは楽しくて面白いです。旧メン以上の皆さんには、これまで1年以上模擬をやり続けてこられた皆さんは、自分なりに模擬に対してそのように感じる部分があると思います。また、今から模擬を始める新メンの皆さんはそのような感動を先輩の後ろ姿から予感する、あるいは知ろうときっかけをつかみに行くだろうと思います。私はまず、そのような模擬におけるモチベーションの根源となるそれらの感情を大切にしたいと思います。

 では、それらの感情はどのようなプロセスで昇華されていくのでしょうか。私は「追求」行為であると考えます。模擬国連とはある種追求行為の延長線上にあると考えます。例えば国益の追求は、自分が行った議題・自国・他国理解に沿って徹底的に国益を考え、その国益という軸に従って徹底させて会議行動に投影し成果をひっさげられるかと言えます。これはリサーチから会議終了までのすべてのデリの行動に含まれる行為だと考えます。そしてそれがデリとしての深みを醸成する主要素になります。しかし別にここで「追求」の方向性を選定しようと思いません。そもそも追求においても様々な思想がありますし、それらの追求が完了することはないでしょう。そこは人それぞれの得意不得意や好みに合致した追求があるべきです。私はすべてのデリに追求を徹底して行ってもらうことがこの会議における一つの目標でもあります。

 そしてその追求行為というプロセスの先にある成果物として私はパイを選びました。ここでいうパイとは無論デリ各人の追求行為によっては変わってきます。例えば合意形成を追求したい人はそれをリサーチから会議終了までにいかに徹底して自分のやりたい合意形成を実現できるかがその人の追求の成果になるでしょうし、模擬国連においては決議をはじめとした発言や文書としてそれらが残されます。そしてこのパイをいかに最大化できるかが模擬国連におけるゲームの結果になるものでありそこも評価したいと思います。

 模擬国連が楽しいと思う方、また未だ楽しいと思わない方、どなたでも歓迎です、ぜひいらしてください。

私の会議の特徴は以下の3つになります。

1,「議題」:情勢会議特有の本質的な議論と激しい対立

この会議において当事者はずばり2ヵ国です。それはシリアとイスラエルになります。この問題は基本的にこの2国家間の問題であり、どちらも領土をめぐって争っています。イスラエルは自身の管轄権行使を正当化し、シリアは自身の領土を回復しようと躍起になるでしょう。お互いの合意可能領域は絶望的なまでに狭く、この解決を行うのは難しいかもしれません。しかし、そのような情勢下だからこそ、みんな国家主権にまつわる本質的な議論を激しくかわすことができ、また各々が目指すパイが各々で対立・邂逅します。そのような議論が皆さんをさらなる追求の盤上を豊かなものにさせるでしょう。

2,「議場」:総会緊急特別会期という議場

そもそも今会議は総会で行われます。しかし一般の総会とは異なります。今回は安保理において、安保理が常任理事国の拒否権行使によって機能不全に陥り、平和のための結集決議でもって委託された総会緊急特別会期、となります。この総会において総会は軍事措置をも含む措置を「勧告」できる権限を持つとされています。安保理において付託される決定の権限よりは法的側面においては弱いが、対象国に重大な打撃を与えられるでしょう。また、その緊急性にも着目できます。緊急特別会期はその決議採択から24時間以内に招集可能です。これは今回の情勢が緊急のものであることを示し、それだけでもこの場における決定は国際社会に重要視されます。総会とは少し異なる責任感や緊張感がデリには付きまといます。以上の認識は取れる選択肢や戦略の幅を増やしデリの追求にとっても利益となるでしょう。

3,「会議設計」、自由に追求することのできる場を設ける会議設計

私の会議設計は、会議そのものが崩壊する危険性がある事柄以外、基本的にデリが実現したいことを縛るようなことをしません。本会議は、特に国益が明確に対立する情勢会議ということもあり、論点TT案を採択する議論議論を事前会合にて開催します。これはデリ各人の模擬における追求を徹底してやってもらう場合論点TT案をデリの手で採択する必要があるからです。さらにリサーチを行うタスクも議題、争点理解・自国理解・他国理解・国益策定・戦略策定などに分類し、その配列やレイアウトをデリ自身にやってもらいます。

*注意:本会議では論点TT案策定のために事前会合があります。日程は会議当日の8~4日前を予定していますが、その範囲内においてデリから希望をとって行う予定です。

*状況次第では国割の一部が変動しますのでご注意ください

【国連加盟国】

Argentina

Austria

Chile

Cuba

Egypt

El Salvador

France

Greece

Iran

Israel

Japan

Jordan

Lebanon

Morocco

Nicaragua

Poland

Spain

Sweden

Syria

Turkey

Union of Soviet Socialist Republic

United Kingdom

United States of America

Zaire

 対象とする参加者はすべての参加者を歓迎します。

しかし、特に以下のような思いを持っている人にはお勧めです。

・模擬国連が楽しい、面白いと思うが、自分の模擬の楽しみ方を理解していない人

 是非来てください!私の会議ではあなたが現在感じているその感情を原動力にどのような追求ができるのか、はたまた自分に可能なのか、を一緒に考えることができます。また他に自分の模擬の根本的な問題について話したいこと、相談したいことがあったらアプライ前メンターに来てください、相談に乗ります。この会議を踏み台にして自分の模擬人生を豊かにしましょう。

・模擬国連においてやる気がある人

 来てください。今回の会議は議論から設計に至るまで、デリが自由にまたは全力で取り組めるようなボリュームのある会議となっています。自分の模擬国連をさらなる高みへと押し上げたいデリ、自分の模擬をいかんなく発揮したい人、模擬国連に対して楽しさは見出してないが模擬に対してモチベーションがある人、全員大歓迎です。

・情勢会議が好きな人、中東情勢が好きな人

 来てください、後悔はさせません。

 模擬国連って色々ありますよね。例えば、模擬国連に命を注ぎ果てる人や、全然コミットしない人、アツい模擬観を形成してアツい会議を作る人、様々いて様々見てきました。なんでやってるんでしょうね。

 そもそも模擬国連は義務でもなんでもなく世間からいうなればただのサークル活動です。変な大学生がみんなで集まって猛勉強してみんなで議論交渉する。はたから見たら(私はこんなに奇妙で面白い界隈はないと思いますが)ちょっとおかしい集団かもしれません。けれども模擬をするときの目はみんな輝いています。模擬国連に残り続けているのはきっとそういう人たちなのだろうと思います。

 そこで、関西大会はちょうど模擬国連における各人のターニングポイントになるのだろうと思います。新メンは新たな一歩の、旧メンは自身のマイルストーンに、そして老神は自身の模擬を発展させる場としてあり続けてきました。ここは振り返りと発展の場でもあるのだと思います。

 新メンの際は私は関西大会にこそ出場していないものの模擬国連を始めたばっかりで右も左もわかりませんでした。そのときは模擬国連は今ほど楽しいように思えませんでした。リサーチやロジックを組み立てる苦悩を抱え、しまいにはモデ中に諦めて別のことをし始めることもありました。しかし旧メンへ向けてとにかく模擬国連をやり続け、関西大会ではある程度動けるようになるまで成長することができました。旧メンの関西大会終了後、1年前に出た新メン会議の議事録を見てみました。発言はめちゃめちゃでまるで議論ができていませんでした。それを理解できた時は少しうれしかったものです。

 私は自分がここまでこれたのは、模擬国連に楽しさを見いだせていたからなのではないかと思いますし楽しんでいる自信があります。

 私はこの関西大会においてデリの皆様の模擬に対するモチベをさらに上げられたら、模擬がさらに楽しくなるお手伝いが出来たらいいなと思っています。そしてそれが自分の関西大会において与えられた役割なのだと信じます。

SNS

袁会議

Twitter:@KMUNC25_ESS9

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