第24回模擬国連会議関西大会

アルジェリア問題

議題・論点解説

 当会議では1954年から1962年まで続いた「アルジェリア独立戦争」について、その中でも、熾烈さを極めていた1960年において国連総会で審議された「アルジェリア問題」を模擬します。

 1954年にFLN(アルジェリア民族解放戦線)を中心としたアルジェリア人民はアルジェリアの独立を求めて立ち上がりました。彼らの蜂起に対してフランス軍は苛烈な弾圧をもって応え、1957年のアルジェの戦いに代表されるような激戦が繰り広げられていきます。更には、「アルジェリアはフランスの不可分の一部」と主張する人々による暴動も発生します。一方で、この議題が審議される1か月前に当時のド・ゴール大統領がアルジェリアの独立を容認する演説を行っています。独立に向けたかすかな希望と混沌とした情勢が織り交ざる情勢を前に、各国大使は議論を交わすこととなります。激しい議論の末、史実では「アルジェリア人民の自決の権利を認識し、この権利の成功的かつ公正な実施に向けて貢献する責任を有することを認識する」総会決議1573が採択されました。

 この会議における争点は大きく分けて二つに分類されます。なお、当会議はオープンアジェンダを採用する予定ですので、議論内容や議論方法はこの分類とは異なってくる可能性があることを申し添えておきます。

・アルジェリア問題に関する情勢分析
 第一に、アルジェリア問題はどのような性質を持っているかが議論における争点となると考えています。この議論においては大まかに、①「フランス政府とアルジェリア人民の交渉によって解決されるべき問題」とする西側諸国、②「国際の平和と安全に対する脅威である」とするアラブや東側諸国など独立積極派諸国、③「フランス政府は解決に向けた努力を払っているが、フランス政府だけでは解決することができない国際問題となっている」と提起するフランス共同体諸国や穏健派AA諸国などが存在しています。

・国連が採るべき解決策
 当会議においては、国連が取るべき解決策についての議論が最も重要な争点となります。この争点においては、①「フランス政府主導の政策(フランス政府による国民投票など)に任せるべき」とする西側諸国、②「国連の監視下での国民投票を実施するべき」とする独立積極派諸国、③「当事者が平和的交渉を行うよう国連が勧告するべき」と主張するフランス共同体諸国、④「国連はアルジェリア人民の自決権の行使を支援することが必要であるが、同時に国連総会が持つ権能についても考慮されるべき」と主張する穏健派AA諸国に分類できます。

 このような争点の中で、自決原則や内政不干渉原則、国際の平和と安全の維持や国連の権能に関する議論が行われることが想定されます。

フロント

Algeria_portrait_inoue

会議監督

井上寛隆|上智大学総合グローバル学部3年|四ツ谷研究会|老メン
Algeria_portrait_hamada

副会議監督

浜田千春|上智大学法学部2年|四ツ谷研究会|旧メン

Algeria_portrait_hiramatsu

副会議監督

平松桂|明治学院大学社会学部4年|日吉研究会|老メン

Algeria_portrait_naoe

議長

直江薫乃|帝京大学経済学部4年|国立研究会|神メン

Algeria_portrait_uchida

秘書官​

内田岳広|国際基督教大学教養学部3年|国立研究会|老メン

Algeria_portrait_oshima

秘書官​

大島あまね|上智大学経済学部3年|四ツ谷研究会|老メン

Algeria_portrait_shirakawa

報道官

白川佳樹|上智大学理工学部2年|四ツ谷研究会|旧メン

会議詳細

議題
アルジェリア問題
Question of Algeria

設定議場
第15回国際連合総会 第956回会合

実際の成果文書
A/RES/1573(1960)

設定日時
1960年12月19日

使用言語
公式討議:日本語・国連公用語
非公式討議:日本語
成果文書:日本語(動詞は英語併記)
*国連公用語で答弁を行う場合、議事録に和訳を添付すること。

事前交渉
期間:2023年8月11日(土)~8月20日(日)
時間:7:00~23:59
*論点TT案の〆切は大会開催2日前の18時まで
使用媒体:Discord
交渉内容:議論議論及び論点TT案に関する交渉

事前会合
なし

募集人数
35人

Realize

 今回の関西大会で会議を作るにあたって、当会議は”Realize”をコンセプトとして掲げます。私たちは、このコンセプトに「関西大会を皆が今までの自分の模擬を振り返り、模擬国連を続けていく上で新しい発見や目標を見つけることができる場にしたい。」という思いを込めました。真摯に向き合い、全力で模擬国連を楽しむことができる会議、また目標を打ち立て、それに向かってがむしゃらに頑張ることができる会議、そんな会議を私たちは目指していきます。

 模擬国連には多種多様なスタイルが存在します。そして、模擬を続けるモチベーションや楽しみ方も人それぞれです。百人のもぎこっかーが集まれば百通りの模擬への向き合い方が存在するでしょう。絶対的な正解がない模擬国連は確かにとても難しい。それでも多くのもぎこっかーが会議にチャレンジし続けるのは、一つでも多くのことを吸収したい、全力で一つのことに打ち込んでみたい、そういった熱い思いを模擬国連が皆に与えてくれるからではないでしょうか。

 私たちは、この会議が全国から集まった様々な個性を持つもぎこっかーが切磋琢磨し合うことで、お互いがお互いを刺激し、そして新たな糧を得ることができる機会にしたいと考えています。そのために、私たちは参加者の皆さんに以下のことを実践していただきたいと考えています。

1:本気で取り組むこと
 しっかりと熱意を持って会議に取り組むことで、今まで見えていなかった気づきや自分の成長を最大限引き出すことができると考えています。また、本気で取り組むことに大会がさらに充実した経験となり、得るものも大きいと考えています。

2:自分の現状分析、今後の模擬国連に対する目標や関わり方に対する言語化
 この会議に参加するにあたり、現状自分が模擬国連に対してどのような思いを持っているのか(楽しいorつまらない、自分の強みや課題点、今後どのような模擬国連をしていきたいか、など)について、整理及び言語化していただきたいと思います。参加者自身が頭の中で描いている考えを実際にアウトプットすることで、関西大会を通じてやりたいこと、やるべきこと等の目標を明確にして会議に臨んでいただきたいと考えています。アプライフォームやタスク、国割メンター等でも随時確認していく予定です。

3:自分の思考の因果関係を整理すること
 リサーチや実際の会議行動に囚われず、自分で設定した会議の目標に至るまで「なぜそのような考えに至ったのか?」を常に問いかけてほしいと考えています。どのような考えの下で行動しているのかを参加者自身が振り返り続けることで、自分が起こしているアクションがどのようなものか、この後自分は何をすればいいのかが見えてくると思います。ここに関しても、メンター等でデリと壁打ちをしつつサポートしていく予定です。

 全力で会議を楽しみたい方、模擬に対してじっくり向き合っていきたい方、そんな方を当会議は歓迎します。

 当会議は国連総会本会合の1議場での会議であり、非常にシンプルな議場となっています。非クライシスの情勢系会議であり、会議としてはスタンダードなものに分類されるのではないかと考えています。

 当会議においてアルジェリア問題を議題に選定した理由として、「戦略構築など知識を応用する段階で、各々の思考のプロセスの明確化をしっかり行ってほしい」という思いがあります。この会議の目指すところは「各々の理想や目標を追求してもらうための1つの転換点の提供」です。当会議の目標を踏まえた会議の特徴は以下の3つです。

①自分の思考を常に考え続けることができる会議
 この会議の大きな特徴として、リサーチを会議に応用する場面に会議準備の力点を置いている点を挙げさせていただきます。自分がどのような考えのもと行動しているのかを振り返る機会を増やしていくことで、各デリの模擬を見つける・見直すきっかけを与える場を作りたいと考えています。情勢系会議の中には、パレスチナ情勢のような広範な事象を扱わざるを得ない議題もありますが、当会議はフランスによるアルジェリア支配とそこからの独立というある程度絞られたテーマを設定しており、参加者が議題理解だけの消化不良で会議が終わってしまうという事態に陥る可能性を軽減することができると考えています。

②当事者がいない会議
 議題である「アルジェリア問題」は、審議が始まった第10回総会より最大の当事者であるフランスが欠席しており、今回扱う1960年の会議(第15回総会)もフランスがいない状態での開催となります。(近隣諸国のモロッコやチュニジアは、強いて言うならば当事者に含めることも可能ではあるかもしれません。)完全な当事者国がいない会議だからこそ、どの国も会議における国益だけでなく、国連という組織が与える影響や会議後を見据えた長期的視点など様々な観点から会議に取り組む必要があります。常に目指すべき帰結とそのための手段を多角的な視点で見る必要がある会議を通じて、様々な場面において自分自身を振り返る機会を提供できると考えています。

③世界的な関心が高い会議
 当会議は植民地独立付与宣言が採択された5日後に開催されています。植民地が次々と独立していく中で、未だに凄惨な戦争が続くアルジェリアを国際社会は当然注視しており、史実でも活発な議論が行われています。様々なスタンスの国が注視している議題を設定して国益の重要度のバラツキを少なくすることで、参加者各々が設定する目標をより反映することができる会議になっていると考えています。

Argentina, Australia, Cambodia, Cyprus, Gabon, Guinea, Hungary, India, Iran, Israel, Japan, Jordan, Morocco★, Portugal, Saudi Arabia, Senegal, Sweden, Togo, Tunisia★, Turkey, Union of Soviet Socialist Republics, United Arab Republic, United Kingdom★, United States of America★, Upper Volta, Yugoslavia.
計26か国

*★マークがついている国はが比較的負担が重い国であるため、ペアデリでの参加がおすすめです。 
*あくまで構想段階のものであり、参加人数によって国数及び国割が変更となる可能性があります。

 皆さんこんにちは。本会議の会議監督を務めます、四ツ谷研究会老メンの井上寛隆と申します。よろしくお願いいたします。

 さて、皆さんは模擬国連が好きですか?
 このページを見てくださっている方の中には、議論や交渉で全力でぶつかり合う瞬間がたまらなく好きな方や、推しの国や国際法を追いかけている方が多くいることでしょう。一方で、「自分は模擬国連に向いているのかな…?」と悩んでいる方や「まだ全然模擬国連についてわかっていないけど大会に参加できるのかな…?」と不安に思いながらこのページを読み進めている方も多くいることだと思います。もし模擬国連に対して何かやりきれない思いを抱えているのであれば、ぜひこのページを最後まで読んでいただきたいと思っています。

 模擬国連は「こうすればうまくいく!」という正解が存在しません。議論や交渉は難しいものがありますし、会議での失敗を活かそうと思っても次の会議では更なる課題が出てくることも往々にしてあります。活躍している先輩や同期と自分とを比べて卑下してしまったり、努力が必ずしも望む形で報われるわけではない現実を嘆いてしまうこともあります。正解がないからこそ、模擬国連に対して思い悩む瞬間は誰しも経験するところではないでしょうか。それでも多くのもぎこっかーが会議に挑み続けるのには、自分なりの楽しみ方やモチベーションを見つけたい!といった会議に対する何かしらの熱意があるからだと思います。

 私は、この会議を自分の新しい一面を知りたい、自分なりに何か一つ頑張ってみたいという方が、一歩踏み出すことのできる場所にしたいと考えています。そのために、事前に参加者の悩みや目標をヒアリングし、タスクやメンター等を通じて思考のプロセスの言語化を積極的に促していくことで、参加者の皆さんを全力で支えていきます。私が自分の興味対象である中東情勢系の議題を当会議の議題として据えたのも、参加者の皆さんの成長をより手助けできるという確信があるためです。

 私たちの会議では①本気で取り組むこと、②自分の思考のプロセスを明確化すること、この2つにしっかり向き合ってほしいと思います。何も模擬国連や自己について全て理解する必要はありませんし、模擬国連の楽しみ方やモチベーションも様々な会議に参加する中でじっくり考えていけばいいと思います。目標を打ち立て、それに向かって努力する経験はきっと今までにない新たな世界を皆さんに見せてくれるはずです。フロント陣も全力でサポートします。私たちと一緒に2023年の夏を全力で駆け抜けましょう!

SNS

Algeria_logo

Twitter:@KMUNC23_Algeria

Instagram:@kmunc23_algeria

上部へスクロール