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ジェノサイド条約案の検討
議題・論点解説
1944年、国際法学者ラファエル・レムキンはナチス・ドイツの占領政策と残虐行為についての著書の中で「ジェノサイド」という造語を用いた。日本語で「集団殺害」等と訳される言葉ではあるが、発案者であるレムキンは直接的な殺害のみならず文化的側面を含めたあらゆる人間集団の破壊行為をさしてこの言葉を用いている。この定義の問題は、条約策定時の重要な論点の一つとなる。
彼は以前から唱えていた「集団の破壊」という概念にジェノサイドという名を与え、その処罰のための国際条約の成立を目指した。
第二次世界大戦終結後、ニュルンベルク裁判により戦時中のナチス関係者のジェノサイド行為は「人道に対する罪」として裁かれた。このことや国際連合の設立に伴う国際法の再構成の動きも相まってレムキンの主張は実現し、総会決議96(Ⅰ)のなかでジェノサイド条約の検討が始まった。
レムキンら国際法学者を中心に作成された事務局案を基に、少数の国からなる特別委員会案が作成され、今回模擬する国連総会第六委員会で多くの国による検討が加えられた。
この検討における論点のうち今回会議でピックアップするのは二つ、一つはジェノサイドの条約における定義、もう一つはジェノサイド犯罪を処罰する際の管轄権に関する問題である。
ジェノサイドの定義においては「誰に」「何を」おこなうとジェノサイドと認定されるのかを、文化的ジェノサイドという言語や文化遺産の破壊行為を盛り込むかどうかを中心に議論する。
管轄権の問題については、国際刑事裁判所の管轄権を認めるか否かという論点と、どのような国に管轄権行使を認めるかという点について議論を行う。
フロント

会議監督
齋藤 航太|東京大学理学部3年|駒場研究会|老メン

副会議監督・議長
齊藤 瞳|大妻女子大学文学部3年|四ツ谷研究会|老メン

秘書官
青山 武蔵|上智大学外国語学部3年|四ツ谷研究会|老メン

秘書官
大澤 花鈴|立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部3年|九州支部|老メン

秘書官
石毛 菜々実|明治学院大学法学部3年|日吉研究会|老メン

秘書官
池田 亮太|早稲田大学社会科学部2年|早稲田研究会|旧メン
会議詳細
議題
ジェノサイド条約案の検討
The consideration of the draft convention on genocide
設定議場
第3回国際連合総会 第6委員会 第61回会合〜第140回会合
実際の成果文書
A/760
設定日時
1948年9月30日~1948年12月1日
使用言語
公式討議:日本語
非公式討議:日本語
成果文書:日本語
事前交渉
なし(TT案の事前共有のみ可)
事前会合
日時:2023年8月17日(木)午後(議論議論)
使用媒体:ZOOM
募集人数
35人(シングル:29・ペア:3)
Disce gaudere -楽しむことを学べ-
“Disce gaudere”は古代ローマの哲学者セネカの言葉。日本語に直訳すると「楽しむことを学べ」となる。セネカはこの言葉を用いる際に「理由なく喜んでならないことが立派な精神の土台である」と述べている。これは、他人によって幸せを得るのではなく、「自分は何によって喜ぶのかを学ぶこと」が何事よりも最初にしなければならないことであるということを表している。
本会議において、コンセプトはフロントが会議設計の際に重視したものをデリに対して伝える言葉として位置付けている。決して楽ではない模擬国連にあえて没頭し、成長や成果を目指すことができるのは、「模擬国連そのもの」に自分なりの楽しさ・喜びを感じているからではないか。であればその楽しさの発見を最大限助け、障害を可能な限り取り除く会議設計を目指そうという思いがこのコンセプトには込められている。
模擬国連にあえて没頭し、楽しさ・喜びを知るためには、会議についていけるだけのしっかりとした基盤が必要になる。そのためこの会議ではリサーチを重視しており、特にフロントのサポートの充実により会議準備の基盤を確たるものにできるよう全力を挙げる。特に新旧メンが基礎力を補い固められるようなサポートを行い、また老練なデリにも満足いただける会議環境を目指す。
皆さんの中には模擬国連における自分の楽しさとはこれだとわかっている人もいれば、まだわかっていない、見つめなおしたいと考える人もいるだろう。間違いなくその答えは十人十色である。何か一つ正しい答えがあるという訳ではない。だからこそ、答えのない問いに、なんとなくでも良いから自分らしい答えを見出そうではないか。その答えや発見は模擬国連を続ける助けになってくれるに違いない。
そこで当会議では、自分なりの模擬国連の楽しみをまだわかっていないという人が模擬国連を楽しめる瞬間を見られるような機会を提供したいと思う。また、楽しみを持っている人にとっては、その模擬国連の形を実現し、掘り下げられるような機会となるだろう。
参加者の皆さんには、しっかりとした基盤の上で完成度の高い会議準備やハイレベルな議論、国益達成などを目指し通して各自の目標や成長を目指しつつ、どこかで楽しいと思える瞬間を見出し、模擬国連生活を満喫する糧にしてほしい。
会議構成は一議場で行われるオーソドックスなものとなっていて、シングルデリを中心にしたデリ構成になってる。
当会議最大の特徴の一つはジェノサイド条約そのものの性質である。
まず当会議は1948年のものであり、提唱されて日の浅い概念であるジェノサイドの具体化を要求している。したがってデリには抽象的な概念と具体的な国益を結び付けることが求められる。
また議論を行う部隊である国連という組織も成立から5年に満たない。模擬国連で再三聞いている、あるいは聞くことになるであろう内政不干渉原則(国連憲章2条7項)をはじめとした議論など、当時の国連を中心とした新しい国際秩序にたいする考察を深めることができる。
そのほかにも刑事管轄権や国際刑事裁判所などそれぞれの論点に対して考察の門戸が開かれており、これらと国益設定・それに基づく会議戦略と合わせてそれぞれのデリの興味にあった掘り下げが行える。
一方でうまく答えの見つからない論点や疑問点にぶつかることもあるかもしれない。その際はフロントが全力でサポートして絶対に脱落させないので是非安心してチャレンジしてみてほしい。
これらの会議準備をもとに当日実践を行い、最後にはレビューをメンターや簡易的なタスク、そして参加者同士の会話を通じて行ってもらえるような場を設定する。
このように多彩な側面を持つ議題を基に掘り下げ、実践、レビューを行いそのなかで、楽しさを発見できるようフロントが全力でサポートするこの一連の流れこそ、本会議第二の特徴である。
ペアデリ
・アメリカ
・イギリス
・ソビエト連邦※3票を持つ
シングル
中南米
・キューバ
・ドミニカ
・ハイチ
・ベネズエラ
・エクアドル
・ブラジル
・ウルグアイ
・チリ
・アルゼンチン
英連邦
・カナダ
・南アフリカ
・パキスタン
・インド
・ニュージーランド
欧州
・スウェーデン
・ベルギー
・オランダ
・フランス
・ギリシャ
東欧
・ポーランド
・チェコスロバキア
・ユーゴスラビア
アジア・中東
・エジプト
・レバノン
・シリア
・イラン
・アフガニスタン
・フィリピン
・中華民国
皆様こんにちは。本会議の会議監督を務めます、駒場研究会老メンの齋藤です。
会議ページをご覧いただきありがとうございます。会議ページ全部読むの疲れますよね。ぜひあなたにぴったりの会議を見つけてください。
本会議のコンセプトは”Disce gaudere.” 、ラテン語で「楽しむことを学べ」だとかそういう感じの言葉です。なにかしら模擬の楽しさを感じられる、そんな会議設計を目指しました。
議題自体はあんまり軽くないですが、会議設計やBG、タスクにメンターおよびメンターなどの工夫を凝らして全メン齢が楽しめる会議を提供したいと考えています。
メンターでは新メンをはじめ模擬国連の楽しみ方やその前提としての会議準備に不安がある方々には手とり足取りサポートをしますし、酸いも甘いも知り尽くした皆様とは是非一緒に考えを深めていきたいです。ともあれどの会議に出てもメンターをたくさん入れてあげてください。
ジェノサイド条約そのものも1948年という年代における国際関係、刑事管轄権や内政不干渉原則といった名前は聞くものの、分かりきらない基本的な国際法原則、そしてなによりジェノサイド概念そのものの興味深さといった数々の魅力が詰まった会議です。
皆さんと楽しい会議を作り上げたいと思います。是非ご参加ください。