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イェルサレムをイスラエルの首都とする米国宣言に対するアラブ連盟外相会合
議題・論点解説
2017年12月6日、米トランプ大統領は、イェルサレムをイスラエルの首都として認め、大使館をイェルサレムに移転させる大統領宣言に署名し、直後に演説を行いました。果たして、この問題の所在はどこにあるのでしょうか。
有史以来、イェルサレムはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教の3つの宗教の聖地として存在しており、異文化共存の地として脈々とその歴史を紡いできました。ところが、イェルサレムの領有をめぐる問題は、パレスチナ分割決議、イスラエル建国、度重なる中東戦争を経てよりその問題が孕む歴史的対立の複雑さを露呈していくこととなり、1980年、イスラエルが統一イェルサレムを自国の首都であるとの宣言を行うことで一気に混乱へと突き進むことになりました。イスラエルの一方的なイェルサレムの首都化は国際社会からも容認されるものではなく、イスラエルの最大の理解者でもある米国ですらも、イスラエルの首都をイェルサレムであると容認しながらも、米国大使館がイェルサレムに移されることはなく、イスラエルの首都としての地位は確立している、とは言い難い状況でした。
この様な背景のもと、2017年12月6日、米トランプ大統領は、冒頭に述べた通り、国際社会、そしてアラブ世界への挑戦ともとれる宣言を行いました。
この米国宣言に対して国際社会の風当たりは激しく、また、アラブ世界は憤慨しました。そこで開催されたのが「イェルサレムをイスラエルの首都とする米国宣言に対するアラブ連盟外相会合」でした。史上最大の挑戦を受けたアラブ世界の各国の戦士たちが、自国の威信のため、アラブ世界の誇りのため、声を挙げる。これが本会議の全てであります。
参加者の皆様には、自由闊達な発想で世界へ公開する声明を作り上げて頂くという、本会議の性質上、フロントから論点を定める事はありません。が、一部史実の例を参照するならば、
- 米国宣言がアラブ世界にどのような影響をもたらすか
- アラブ連盟としてとるべき米国に対する措置は何か
- アラブ連盟として米国および米国宣言に肯定的な国に対してとる措置にはさまざまな選択肢があるが、どの措置を起こす/示威するのか
といった論点があります。
フロント
会議監督
川西爽登|同志社大学グローバル地域文化学部3年|京都研究会|老メン
議長
島村海里|横浜国立大学経済学部3年|日吉研究会|老メン
副会議監督
五十嵐百伽|上智大学文学部史学科3年|四ツ谷研究会|老メン
秘書官
野洌康一郎|大阪大学法学部4年|京都研究会|老メン
会議詳細
議題
イェルサレムをイスラエルの首都とする米国宣言に対するアラブ連盟外相会合
設定議場
アラブ連盟緊急外相会合
設定日時
2017年12月9日
使用言語
公式討議:日本語・国連公用語
非公式討議:日本語
成果文書:日本語
募集人数
シングルデリ 23名程度
Flapping wings, like an Eagle
このコンセプトは「羽ばたけ、鷲のように」と訳されます。そこには大きく3つの想いが込められています。
一つ目は、大空で風を切って飛ぶ鷲のように、議場で自由に交渉することを楽しんでほしいという願いです。この会議において決まった結末はありません。皆さんの交渉次第でどのような結末にもなり得ます。そのためにも、議場で空を舞うように交渉を楽しんでほしいという想いをコンセプトに託しました。
二つ目は、鷲が空から地上を見つめ、獲物を常に狙っているように、貪欲で勝ちにこだわるための「目的」を見据える「眼」を持ってほしいという願いです。皆さんは「モデ(アンモデ)」がなんのためにあるのか疑問に思ったことはありませんか。目的を見定め、それに伴った会議行動を取ることがより実践的な会議行動だとわたしは考えます。何か行動をとることの先に常に「目的」を据え、勝ちに貪欲にこだわってほしいという気持ちを込めました。
三つ目は、関西大会の参加者の多くを占める新・旧メンにとって当会議が模擬国連のたのしさに気づき、飛び立つきっかけになってほしいという願いです。関西大会は新メンにとっては初めての全国大会となり、旧メンにとっては最大の力試しの場です。そのような特別な大会で、みなさんが次のステップへ飛び立つための第一歩になるような経験をさせられるような会議を作成したいと思っております。
⚫︎自由度の高さ
会議戦略の自由度が高い会議であり、「自国にとっての最善の国益」に行き着くための行動や戦略を追求できる会議であることです。交渉の自由さは、各デリが切ることができる交渉カードの多さや、投票プロセス、議場の議論/交渉形態に由来します。
⚫︎議題理解の容易さ
この会議は問題の構造が単純なため議題理解が比較的容易です。さらに、現状の国際社会の問題とリンクしているため想像が容易で、現在起こっている国際問題への造詣が深まります。
⚫︎外交の実現可能レベルまでシミュレーションせざるを得ない設計
アメリカの「イェルサレムをイスラエルの首都とする国宣言」にはアラブ連盟の全ての国家が反対をしているものの、実際のアラブ連盟の措置には多くのグラデーションが存在します。その国の明日の存亡を考えた時に、全ての国にとって今回の決議が死活的であることから前のめりかつ、シミュレーション性が高い会議行動をとる必要があります。また、フロントアクターを設けることで議場に緊張感をもたらすと同時に実際の国際社会に近いシミュレーションレベルまで引き上げることができる設計になっています。
国割
Egypt・Iraq・Lebanon・Saudi Arabia・Yemen・Jordan・Libya・Morocco・Tunisia・Sudan・Algeria・Kuwait・Bahrain・Qatar・Oman・United Arab Emirates・Mauritania・Somalia・Djibouti・Comoros・Palestine Liberation Organization (PLO)
人割
Secretary General of the Arab League
みなさん、アッサラーム・アライクム!
当会議で会議監督を務める、京都研究会老メンの川西爽登です。
まずは、この会議に興味を持っていただきありがとうございます。
人それぞれ、「模擬国連」に見出すたのしさは違うと思います。例えばそれが、リサーチをしてる時間だったり、国益を考える時間だったり、大勢の前で主張をしている瞬間であったり…
わたしにとっては「勝ち」に向かって貪欲にもがきながら交渉をしている瞬間でした。そんな、わたしにとっての「模擬国連」のたのしさをふんだんに詰め込もうと思い、設計したのが当会議です。
当会議を通して、皆さまが模擬国連のたのしさをすこしでも発見できたらと思っております。