第24回模擬国連会議関西大会

コソボ情勢
–NATO空爆についての安全保障理事会会合-

議題・論点解説

 本会議では、1999年3月24日に開始されたNATOによるユーゴスラビアへの空爆についての安全保障理事会会合を扱います。また、本会議ではクライシス制を用いません。

 冷戦終結後、旧ユーゴスラビア連邦から構成共和国が独立し、分離反対派のセルビアとモンテネグロによる新ユーゴスラビアが発足します。六つの共和国・一つの国家が二つの共和国・一つの国家となった頃、セルビア国内でアルバニア人による独立の動きが発生しました。次第に紛争へと移行し激化していく中で、一時は平和的解決が図られ和平交渉が行われます。しかし交渉は決裂し、これを受けて1999年3月24日にNATOは新ユーゴスラビアへの空爆を開始しました。そして同日、ロシアの要請により安全保障理事会が開かれ、NATOの空爆の法的側面や正当性について激しい議論がなされることとなります。

 今回扱う主要な論点は以下の通りです。

 ①国際法による合法性の評価

 国際法の武力不行使原則は一般に武力の行使を違法としていますが、いくつか例外も存在し、過去の国連の会議や今現在でさえも議論が絶えません。武力不行使原則の例外、すなわち合法的な武力行使の範囲は各国の状況によって望ましい範囲が著しく異なるためです。本会議ではNATOによる空爆のような事態が武力不行使原則の例外に該当するか、該当するとしたらどの例外に当てはまるのかについて議論を行います。

 ②国際法体系による正当性の評価

 突然ですが、果たして国際法は完全で、国際機関による評価において国際法のみを用いて判断できるのでしょうか。
合法性の評価と正当性の評価の関係について、そもそも現在の国際法は完全で合法性によって正当性を判断できるのか否かや、仮にNATOの空爆に関して現在の国際法が完全でないとした場合、どのような位置付けとなるのかについては、各国が国際法に期待する内容が大きく影響するでしょう。先の論点が国際法の枠組みの中で議論をするのに対し、ここでは国際法の不存在や国際法という枠組みそのものの議論となります。

フロント

会議監督

白川佳樹|上智大学理工学部3年|四ツ谷研究会|老メン

副会議監督

椿進太郎|同志社大学法学部4年|京都研究会|神メン

副会議監督

田村素子|上智大学外国語学部3年|四ツ谷研究会|老メン

議長

守屋旺次朗|早稲田大学法学部3年|早稲田研究会|老メン

秘書官

内田岳広|国際基督教大学教養学部4年|国立研究会|神メン

秘書官

長濱裕輔|青山学院大学法学部3年|日吉研究会|老メン

報道官・秘書官

浜田千春|上智大学法学部3年|四ツ谷研究会|老メン

会議詳細

議題
コソボ情勢

NATO空爆についての安全保障理事会会合

設定議場
国際連合安全保障理事会(UNSC)

第3988および3989会合

設定日時
1999年3月24日~1999年3月26日

使用言語
公式討議:日本語(スピーチ・WPにて和訳/英訳があれば日本語以外でも使用可
非公式討議:日本語
成果文書:日本語(一部英語併記)

募集人数
25名程度

シングル/ペアデリ指定なし 計18組(予定)

※トリデリ希望の場合は要相談

Compass

 

 方位磁針と円を描くやつ(円規orぶんまわし)ですね。本会議では会議の中でもしくは会議を跨いで使える2つのコンパスを持ってほしいという思いを込めてコンセプトに用いています。

 

すなわち、

・会議当日および準備の過程において自分が行うべきことの迷いが生じない判断基準としてのコンパス(方位磁針)

・会議中の戦略や主張を図画するにあたっての模擬国連の方法論上のコンパス(円規)

を手にもって会議当日を迎え、

・模擬国連を行うにあたっての自分なりの楽しさ・面白さ・意義・次なる目標などを指し、以降の会議でもその方向性へ進むに足るコンパス(方位磁針)
・模擬国連の手法や、模擬国連を通して得えられるものがどれくらい成長しているかの比較の道具や、としてのコンパス(円規)

を抱えて会議の終了を迎えてもらえればと考えております。

 

 皆さんには、これらの自分なりのコンパスを会議前では本会議を触媒として発見・創造・再確認・推敲し、会議後では本会議そのものや会議を通じて得た経験・思考を今後のコンパスとしてもらえればと考えております。

 本会議はコンセプトの具体化として「なんかよくわからなかった」の最小化と、デリが自由に自らの構想を実践できる機会や、模擬国連における判断基準・指針をの発見する機会や、戦略・主張内容を構築する機会の最大化に向けて以下のような特徴を設けております。

 

1. 狭い事実と広い判断軸


本会議では武力不行使で出てきがちなところのオンパレード&本来国際法の基礎である国際法体系に関する議論を「情勢系の枠組みを用いた法議論系」の形で行います。特定の具体的な情勢に広く抽象的な概念を当てはめる形であり、自由な戦略・主張の形成と「よくわからん」の防止の両立を図っています。

 

2. わかりやすいスタートライン

重複がありますが、国家の安全保障に関わる情勢(それもかなりの異常事態)をベースとしているため、国益や対立関係、処理しなければならない事柄は比較的明確な状態で会議が始まります。これにより、会議開始時点での見通しを確保し、その上での戦略などの構築への注力を行いやすくしております。


最後に、おそらく議題・論点解説のところで「ウゲェェェむずそうううう」となった人も少なくないと思います。もちろん、扱う論点や外交の難易度などは平易なものとはいえませんが、これまでの経験数や知識差をできるだけ補完する諸々の手厚いサポートなどを尽くし、楽しく自由にを追求できる環境を提供していきます。

理事国

Argentina・Bahrain・Brazil・Canada・China・France・Gabon・Gambia・Malaysia・Namibia・Netherlands・Russian Federation・Slovenia・United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland・United States of America

オブザーバー

Albania・Belarus・Germany・India・Italy

※変動する可能性があります。

 長文を超えてここまで辿り着いたみなさんこんにちは。 当会議で会議監督を務めます四ツ谷研究会老メンの白川佳樹です。まずは当会議のページをご覧いただきありがとうございます。ここまで来たからには残りの0〜6会議のページも目を通して、自分に合う会議を見つけていってください。

 特徴やコンセプトなどで目指したいところはだいぶ書いた気がしますが、本会議で目指している会議はすっごい端的に言うと「楽しいのは前提として自由にやってもらいつつ、わかりやすさを両立する」です。これらの方向性や議題自体に興味が湧いた方や、これまで「よくわからないけどなんかすごかった」などで会議が終わってしまった方、極論何かに対して楽しみや期待、意義をなんとなくにでも感じてる方を歓迎します。

 かくいう私にとって、模擬国連は学科の勉強や進路などに現状一切役に立たず、完全に楽しみのみを原動力とする活動です。しかし、その楽しみというものは会議を重ねるごとに変動・明確化していきました。楽しみを新たに見出すにせよ、現状感じているものを深めるにせよ、会議を通した皆さんの変化に、コンパスの入手に、携わることができれば幸いです。

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